第10話 「Sな戦慄/名探偵の娘」

Sを冠する物語の後半ですね。
園咲家にメイドとして入り込み、パティシエ失踪事件の潜入操作をしていた亜樹子。それを外から様子見していた翔太郎、フィリップ。亜樹子が捜査を進める中でも事件が進む。スウィーツドーパントが依頼者でパティシエの朝川麻衣を襲いに出現したのだ。翔太郎はそれを阻止するためにWに変身。スウィーツドーパントとの戦いの中でナスカドーパントも出現し、2対1でやりあっている中で、さらに園咲家家長にして秘密結社ミュージアム大幹部・テラードーパントまでもが出現する―――というところで続いていた前回。さて今回はどんな展開になるのか―――?
まずは園咲家ことミュージアム側内情がチラッと。長女でタブードーパントの冴子が、家長の琉兵衛ことテラードーパントを出し抜こうと翔太郎たちの持つダブルドライバーを狙っている描写が明確に。その真意はやはり園咲家の頂点に立ちたい、的な欲望があるんですかね。でも霧彦の名誉回復をしようとするのを隠れ蓑にダブルドライバーを手に入れようとしているとか、冴子と若菜は姉妹で仲が悪いけど表向きは取り繕うとか、園咲家側は家族間でも隠し事や本音を語らないとかで疑心暗鬼な雰囲気満載ですね。
翔太郎は今回は「ビギンズナイト」のことを亜樹子に語ろうとしてスカされて「何処いったぁぁーーー!?」絶叫とか、前回に引き続いて引っ張る内容は重いのにその言動はお笑い気味になってますね。でも琉兵衛と博物館でニアミスとか、さり気なく面白い展開が見られます。
フィリップの「地球の記憶」推理は相変わらず便利です。キーワードさえ揃えばどんな謎も暴き出す…でも微妙に遅い、と。
亜樹子は前回懸念した、コナンか小五郎か、ということで小五郎として探偵デビューを飾りましたね。証拠も無い見た目だけで犯人を決めた当て推量推理を披露という、大勢の前でのトンデモ推理…ある意味あの精神の図太さは稀有だと思います。もうこのまま最後まで微妙に汚れヒロインとして突っ走ってもらいたくなってきました。彼女のトンでも言動を見ると何だか「いいぞもっとやれ!」的な感情が浮かぶんですよね。ある意味で毒されてきた…(笑 何気に今回は亜樹子が色々見せ場が多くて、真面目にスウィーツドーパントに襲われそうになった依頼人の麻衣を体を張って助けようとしたりして、大活躍してましたね。でも依頼人を危険に晒さない、という大前提を翔太郎にお説教され直後のトンデモ推理の場面で同席させるのはどうかと思います。犯人がドーパントなのはわかってるんだから安全域に退避させとけよ、と。
バトルに関しては、さらわれた亜樹子と麻衣を助けに行きたいWが、ナスカとタブーの夫婦ドーパントにまとわりつかれてちょっとピンチ→リボルギャリー乱入で形勢逆転、という流れはやや強引かと思いました。園咲家の敷地にどうやって入ってきたリボルギャリー。(笑 でも、その後のタブーによるナスカへのDVで一気にどうでもよくなりましたね。園咲家怖いのぅ。完全な成果主義、って感じで失敗したら相手が夫でも容赦の無い冴子はいつかラスボスになる気がします。
ナスカとタブーの夫婦ドーパントはさておき。スウィーツドーパントとのやりとり。まずはスウィーツドーパントのアジトに乱入したW。登場時のマフラーが風になびくシーンと、その後の亜樹子の居場所を知った方法を教えたりする時のちょっとした仕草とかが、いちいち格好良いですね。おとぼけハーフボイルド探偵の翔太郎ですが、Wに変身するとハードボイルド探偵になっている気がします。姿を消して逃げようとするスウィーツドーパントをバットショット+ルナメモリ・マキシマムドライブで炙り出したり、クールに対処してましたからね。トドメのヒート/ジョーカーでのマキシマムドライブ・ジョーカーグレネードも2つに別れた体が別々に攻撃という、幻惑的なパンチラッシュ、って感じで良い感じに格好良いです。でもメモリをマキシマムドライブにセットしたらバチバチ言っていたのは何でしょう。ヒート/ジョーカーの形態はメモリ同士の相性があまりよくないとのことですから、何かの伏線なのでしょうか。いつかダブルドライバーが壊れる…とか?
最後は事件解決後の一幕で、亜樹子とフィリップがギャグ的に騒ぐのを見ながら翔太郎が「ビギンズナイト」のことに思いを馳せる―――という流れ。ビギンズナイトについてはまるで語られていないのは、やはりあくまでビギンズナイトのことは映画でどうぞ、ってことでしょうね。
次回は第11話「復讐のV/感染車」。ホラーテイストになるそうですが、インフルエンザが蔓延している中で感染車とはまたタイムリーなネタですねぇ。