ほうかご百物語6

ほうかご百物語

著者・峰守ひろかず先生。挿絵・京極しん先生。第14回電撃小説大賞で”大賞”を受賞した作品の、続刊第6巻です。
・シナリオ
美術部に新入部員がやってきた!?
大波乱の第6弾!
春。新しい学年に進級した僕たち美術部は、目下新入部員を募集中。
そんなとき美術室に現れたのは、金髪ぽわぽわ天然美少女ニコ。
彼女は自分を画家だと名乗り、僕のことを弟子にしたいと言い出した!
世界的に有名な画家ニコからのスカウトに喜ぶ僕だったけど、ニコを慕う新入生フィルと弟子の座をかけて勝負することになってしまう!
しかも、イタチさんはなぜかフィルのことを気にかけている様子で……!?
ピュア可愛いイタチさんと僕の、放課後不思議物語。
新入部員の登場でますます大波乱のシリーズ第6弾です!(7&YHP紹介ページより抜粋。)
・感想
今巻は新学期になり新入生が入学し、真一たちも進級したのですがそれをきっかけに真一の前にライバルや進路的な問題などが登場し、壁となって立ちふさがる、という話。それでも彼の「イタチさん大好きだ!」なスタンスは崩れず、いつも通りの視野狭窄モードながら熱愛まっしぐらなままなので妙に暗い話になったりもせず、良い意味でいつもの「ほうかご百物語」を楽しめました。
以前の巻で登場した様々なサブキャラクターの幾人かも登場し、話を広げ、盛り上げていました。が、主役勢の―――特に御崎の勢いはそれ以上で、怪現象の解明のために宇宙へ行ったりして「これ妖怪物だよね?」と思わず苦笑が出るほどでした。「型に嵌らない」という意味で意欲的で、妖怪物ながら新しい楽しみがありましたね。
また前巻でも、妖怪が出やすいという学校の特性を利用しようとした三つ足鴉などが出ていましたが、この巻でもその系譜らしき妖怪が登場して真一やイタチさんたちと対峙することになるなど、何かしらの因縁が生まれつつあるのも特徴でしたね。そういった因縁が結ばれていく中、新登場キャラクターで仲間も増えたりしているので、今後に真一たちの関係はどんな結末が待つのか期待が膨らみますねー。