ハンコックっ!

2008年09月13日。
今日は友人と「ハンコック」を見てきましたっ



率直に感想を言うと―――ハンコック、結構面白かったですね。
無敵の超人だけど「皆に好かれるスーパーヒーロー」ではない彼―――ジョン・ハンコックが、PRが仕事の商社マンを助けた事で彼のプロモーションの元、スーパーヒーローとして再度デビューすることになる。PR商社マンが考えたPR方法を実践し、少しづつ回りに受け入れられていくハンコック。やがて彼自身も含め、周りは笑顔で彼と接する事が出来るようになっていく。しかし…彼の無敵の超人の肉体には、原因不明の異変が起き始めていて彼の超人性は失われつつあった。そんな中、彼が過去に捕まえて収監させていた囚人達が脱走し、ハンコックを狙っていた。果たして彼はどうなるのか。ハンコックは再び無敵の超人へとなれるのか。それともこのまま力を失い、犯罪者を相手に膝を屈してしまうのか―――そんなストーリーでした。
登場当初のハンコックの浮浪者寸前振りと、後半のハンコックのPR商社マンの言葉を意識しての少し飾った姿との対比が、とても印象的でした。その影にはPR商社マンの家族―――アーロンやその妻との交流があり、アーロンの純粋な憧れを受けて少年の失望するような姿を見せられない、とでも思ったかのような自制や態度の変化が彼の根底には人を大事にする『ヒーロー』の資質があるんだなと感じました。
その出会いからの彼の変化は、彼が「自分を信じてくれる人」と出会ったならその出会いを大事に、大切にしたがっている。何故ならハンコックは超人ゆえにいつでも一人だから、という、彼の寂しい現実も感じられ、ハンコックが背中に背負った哀愁も漂ってきましたね。そんな超人ゆえに社会に溶け込めない悲しさと、自分たちとは違う存在は排除しようとする排他的な人間世界の汚さも同時に見せられた気分でした。
全体的に見ればこの作品で一番目を引くのは、オーバーな表現です。ハンコックが空に飛ぶだけで地面は爆発的な砂塵を巻き起こし、空は彼が通った後にソニックブームの尾を引き、着地すればその衝撃で地面を掘り返し抉り出し、地形を歪める。犯罪者と相対すれば放り投げられた犯罪者は壁に叩きつけられればコンクリートの壁を砕いて貫き、と、ハンコックが起こした行動に対するリアクションが兎に角”ものすごいもの”として表現されています。そのVFXなども見所ですが、私的にはその影にある、ハンコックが何故、そうするのか、ということに特に目を向けて欲しいと思いますね。超人の孤独―――そのことを真正面から書きながら、エンターテインメントとして完成させたこの作品は酒宴のウィル・スミスの好演もあって大変面白かったです。ヒーロー好きなら、見に行って損は無い作品だと思いますねー。