ストップ☆まりかちゃん!

ストップ☆まりかちゃん! (電撃文庫)

ストップ☆まりかちゃん! (電撃文庫)

ストップ☆まりかちゃん!

著者・菅沼誠也先生、挿絵・夜野みるら先生による短編連作的な形で送られる『ちょっとシュールなバイオロジカル・学園コメディ』ですね。
・登場人物
主人公で少々背が低い事が悩みの、面倒見が良い高校1年生の遠野星也。政府公認の生物工学天才児で遠野家で星也と同居しているヒロインの御堂鞠歌。鞠歌のお目付け役的存在で、色々無茶な事をする鞠歌の後始末をしてくれる保護者でもある政府職員の津山桐緒。星也と鞠歌の同級生、星也の憧れのヒトでもある篠原みづき。星也、鞠歌の同級生でみづきの友人のツッコミの厳しい女生徒、加藤一水。星也と鞠歌の同級生で、星也を巻き込んで色々無茶をする事もある悪友/親友の高部和正。
・シナリオ
「うわあ〜、また変な生き物作ったの!?」
「うん、星ちゃんが喜ぶと思って」
御堂鞠歌16歳、政府公認の生物工学の天才児。訳あって彼女と同居することになったけど、おかげでぼくの平和な生活はめちゃくちゃに…。憧れのあの子には誤解されるし、奇妙な生物には毎日のように襲われるし、こんな生活…もういやだああああああっ!
「ぼくの彼女はウニの味」「ミドリガメの恩返し」「キスミーDNA」など、全4編収録。カラーコミック&おまけコミック付き!
ちょっとシュールなバイオロジカル・学園コメディ登場!(カバー折り返し及び7&YHPより抜粋。)
・感想
この作品はヒロインである天才少女が作り出した発明品(但し、生物学的発明品に限る)に振り回される主人公―――そのドタバタな様子を書いたものが主な話になりますね。
彼女いない暦=年齢の星也の為を想い、ちょっとハズれた思考で考えた結果出した「彼女を作ってあげよう!」という思いの元、ヒトデをベースにした新生物を星也への贈り物にしようとして始まるドタバタ事件「ぼくの彼女はウニの味」。
学校で星也たちのクラスが飼っていたミドリガメとちょっとした虫などが、まりかの発明で人間の様な姿を持ち、そのことで星也やみづきが奔走することになるが、最後はどこかのんびりした形で終息する「ミドリガメの恩返し」。
夏休みの思い出作り、と高部の紹介で出かけたキャンプ地で色々大騒ぎが起き、その過程で鞠歌の発明品が大活躍したり逆に原因を作ったりして終始して事件が起こるサービスシーンも有るよ、な「キスミーDNA」。
そして鞠歌の発明品が普通に役に立ちながら、どこかほんのり温まるような、でも生物学的発明品と言う事でどこか変わったハートフルな話となるトリの「雨降り毛傘とコンジョウナナフシ」。
以上4点が収録されていて、そのどれもに鞠歌の発明品が関わってきて一筋縄では終わらない、となっていましたね。そんな展開の中に、星也と鞠歌の過去に纏わる話が少しだけ挿入されたりして話の広がりを見せたり、実は天才には天才の、凡人には凡人の悩みが有る、として一瞬シリアスな話があったりして、多様な見せ方をしていましたね。
この作品は生物工学を扱う、としてトンデモ理論でトンデモ生物や発明が出てくるので、そういった形での楽しみ方も出来るかな、と思いましたね。ドラえもん的な、毎回毎回どんな新発明が出るのだろうか、そして出てきた発明がどんな効果を持つのかといった、「そんな発明ありかよ!?」と言うような、意表を突かれるのを楽しむ、という形でも楽しめるかもと思いましたねー。