ふりふろ♪

ふりふろ♪ (GA文庫)

ふりふろ♪ (GA文庫)

ふりふろ♪

著者・土田奥郎先生、原作・高崎とおる先生で、挿絵がすーぱーぞんび先生です。高崎先生は著作にファミ通文庫からの『オオカミは懐かない!?』というものがあるそうですね。
・登場人物
主人公で魔法使いの伯爵公子だが世界を支える宝珠<コーナーストーン>を砕いてしまい、蛙神ディングルと半融合し興奮状態になるとディングルに変身する、という状態で超スケベ蛙のディングルと一緒に砕けた宝珠を捜す旅に出ることになったエリオット。エリオット共に宝珠を砕いた場にいたエリオットの従者の拳銃使いティアナ。旅に出てから知り合った商人の娘で、旅の間の情報収集や糧秣集めを一手に担うカーロッタ。この三人がメインですね。
エリオットたちが立ち寄った国で知り合った貴族の騎士シグルド。塹壕が大好きという一風代わっている王女のフランシスカ姫。体力とか腕力とかは規格外だが頭の方まで規格外すぎる強力三兄弟。王権を打倒し国の実験を握った反王派としてクーデターを起こしたクニムント将軍。他に親衛隊長の執事とかがサブキャラクターですかね。
・シナリオ
「なんなのいったい!?きゃあっ!」
ティアナの服が液体になって流れていく。胸と腰だけは手でかろうじて押さえたが、押さえた部分も流れてみるみる小さくなっていく。
「あのエロガエルの仕業ね!」
「蛙界」を支える宝珠の欠片を探す旅に出たエリオットとティアナ一行。エリオットの魂には宝珠の欠片を見つける能力を持った蛙の王の息子・ディングルも同居していた。
だが、ディングルが能力を発揮するにはエリオットが「エッチな気分」になる必要がある。そんな制約に苦しんだり楽しんだり(?)しながらも、旅を続ける一行だったが―?
高崎とおると土田奥郎が贈る、「けろけろ」ライト・ファンタジー。(裏表紙より抜粋。)
・感想
軽く読める文字通りのライトノベルな、ライト・ファンタジーアドベンチャーでしたね。
話としては世界の命運を担う旅をしている一行が立ち寄った国で、騒動に巻き込まれる〜といったもので話の始まりとしては典型的なものでしたが、この作品は地の文が少なくその代わりに会話が多用されていて、テンポよい掛け合いで話が進んでいくのが私は小気味良かったですね。これは好みでしょうけれども。
全体的に軽いノリで、シリアスに見えてもすぐにギャグに走るということで傾国の国を舞台にしていても重い雰囲気、悲壮な雰囲気はありませんでした。文字通りライトなファンタジーで。大変な目に会っているように見えても、軽くて明るいノリで全ての障害を吹っ飛ばしていくので軽快でした。
また、この作品は軽くて明るいノリの他に、微妙なエロスを匂わせながらギリギリの所でボカすという作風も使われています。エロ蛙の魔法でティアナやカーロッタ、シグルドをはじめとして女性陣がやたらと全裸にされたり必要に迫られてエリオットとフランシスカ姫が大接近する事になったりなど、そこはかとないエロスがまた面白みのスパイスになっていました。
当初、話の入りからすでにひとつの状況(エリオットとディングルが1つの体に一心同体状態で旅に出ていていくつかの出来事を経た後)が出来上がっているので、その状況を飲み込むのが少し大変かもしれませんが、飲み込めば後は会話会話で進む早いテンポの物語の進みに引き込まれていけるのではないでしょうかー。