レンタルマギカ5

レンタルマギカ 魔法使いの宿命! (角川スニーカー文庫)

レンタルマギカ 魔法使いの宿命! (角川スニーカー文庫)

レンタルマギカ5 〜魔法使いの宿命!

著者・三田誠先生、挿絵・pako先生による異種魔法格闘戦ノベル、ですかね。三田先生は他にスニーカー文庫「精獣戦争」シリーズなどを書かれていて、pako先生はPS2ゲーム「シャイニング・フォース イクサ」などの原画を描かれていますね。
・登場人物
主人公の魔眼持ちで社長の伊庭いつき。ヒロインに新入社員でケルト魔術使いの穂波・高瀬・アンブラー。サブキャラクターに陰陽道でオカルト雑誌や占い誌でライター業を営む猫屋敷蓮、8歳の小学生だが巫女でもある神道の葛城みかん。騒霊現象<ポルターガイスト>を起こせる文字通りアストラル幽霊社員の黒羽まなみ。以上が魔法使い派遣会社「アストラル」陣営という形で。
純正魔法使い集団「ゲーティア」陣営ではありますが、アストラル経営権の2割を持つ大株主という立場を持つとして、穂波同様ヒロイン格ということでソロモン王の魔術使いアディリシア・レン・メイザース
この巻では石動圭という魔法使いが登場します。猫屋敷と縁が深く、陰陽道使いで管狐を扱います。
・シナリオ
魔法使いとは、かくも残酷な存在なのか!?“アストラル”の天才陰陽師・猫屋敷蓮は、かつて苦楽を共にした弟弟子の圭から魔術決闘を叩きつけられる。陰陽道VS陰陽道―。しかし魔法使いの優劣は「血」であり「才能」であり、そこに「努力」が入る余地はない。霊獣くだぎつねを操る圭に、“天才”猫屋敷は炎の符呪で迎え撃つ。血で血を洗う決闘を前に、いつきの瞳は二人の悲しい過去を映し出した。古今東西の魔法を集結、快調異種魔術格闘戦。(裏表紙より抜粋)
・感想
この巻は短編集。全4話で、内訳は「魔法使いと夏の海」「魔法使いと学校の怪談」「魔法使いと星祭り(前編)(後編)」以上の3話が入っていますね。
「魔法使いと夏の海」は、アストラルの慰安旅行に向かった先でいつきとまなみが海の伝説に巻き込まれる話。これまでの長編ではあまり映える所の無かったまなみですが、短編では大活躍、といった所でしょうか。騒霊現象に続く第2の能力、顕現現象を習得します。まなみメインの成長話、といったところですね。
「魔法使いと学校の怪談」は、昔の話になります。穂波のイギリスでの修行時代。アディリシアに出会ったばかりの頃の話で、アディリシアが穂波に出会い、魔術結社での入信儀式にアディリシアと穂波が挑んだ際に見た穂波の強い意志に彼女を認める話―――といったところですか。現在の穂波とアディリシアの喧嘩しながらも仲の良い理由が書かれる、とも言えます。
「魔法使いと星祭り」は、猫屋敷の関係者で同じ陰陽道の石動圭がある思惑と共にやってきて、儀式「星祭り」をアストラルに依頼する話です。天才性で陰陽道を扱う猫屋敷と、努力と犠牲で陰陽道と管狐を扱う石動。天才と凡人という対比が終始一貫していて、その対比が魔法使いとしての場合どう結果として出るのか、が面白かったですね。
サブ的な立場のキャラたちが活躍していて、長編では見られない姿が見れるのが短編集。そんな感じですねー。