乃木坂春香の秘密6

乃木坂春香の秘密(6) (電撃文庫)

乃木坂春香の秘密(6) (電撃文庫)

乃木坂春香の秘密

著者・五十嵐雄策先生、挿絵・しゃあ先生によるちょっと特殊な趣味のお嬢様と平々凡々な一般庶民とのラブコメディ・ストーリーって言っていいんじゃないでしょうかね?
容姿端麗才色兼備の清楚で大人しい超お嬢様にして学園のアイドル、乃木坂春香には特殊な趣味があった。所謂「オタク趣味」―――とある漫画が大好きで、それに関するガシャポンやフィギュアを集めてしまっていたりするそんな彼女の趣味を、主人公である綾瀬裕人はあるとき、偶然知ってしまう。だが裕人は、春香のそんな趣味を知っても変わらず春香に接する。その時から始まる超お嬢様・乃木坂春香と、平凡庶民・綾瀬裕人との交流。時に超お嬢様・春香のセレブな世界に裕人が思いっきり戸惑いながらも招待されたり、逆に裕人の普通の一軒家での夕食に『家族でつっつく鍋料理』未体験の春香が招待されたりと、互いが互いの世界を楽しむかの如き交流。そうした合間にて繰り広げられる裕人と春香の青春恋模様。このシリーズは、そんな二人の交流と、二人を取り巻く周囲のちょっと変わった人たちとの日々を書いた作品ですね。
この巻では21〜24話が収録されています。
冬コミに、裕人が友人に頼まれてその「友人の友人」が主催するサークルの手伝いとして売り子に行く事になり、自作同人誌を委託扱いで売っても良いよと言われ、春香の希望で二人で同人誌を作成販売しようとする。その同人誌作成や冬コミでの販売の顛末と、冬コミそのものを楽しんだ2人を書いた21〜22話と、クラスみんなで初詣に行き、そこでクラスの友人たちと神社での年越しと新年を迎え、その中で転校生で春香のセレブなイベントに付き合ったりした時に知り合った気さくなお嬢様、天宮椎菜と無自覚に親交を深める裕人や、両親の思い出の場所にそれと知らずに裕人と行く春香、なんて様相を書いた23〜24話の、年末の出来事を計4話で書かれていますね。
この巻でも相変わらず、甘酸っぱい青春模様の裕人と春香が中心に書かれていました。妙にエロスなイベントがあったり、着々と深い仲になっていく裕人と春香、って感じで。またそれ以外には、裕人が無自覚に春香とは違うキャラ相手にフラグを立てて、思わず「この主人公体質がぁ―――ッ!」と言いながら殴り飛ばしたくなるくらいお約束なことをしていました。(笑
総評して、春香と裕人に関しては「YOUたち、とっとと婚約でもなんでもしてしまえ!」と言いたくなるようなラブラブっぷりを見せ付けられます。そして椎菜と裕人に関しては、「これなんて三角関係刺殺イベントの前振りですか?」と言いたくなるような裕人による無自覚のフラグ立てまくりで、修羅場への前段階を見ているようで無駄に緊張感を沸き起こされます。お前、春香はどーするんだよ!?みたいな。まぁ、電撃文庫でそんな展開は無いでしょうから私の感じ方が歪んでいるのでしょうけれど。(笑
そんな感じで、ベタ甘のコメディチック・ラブストーリーが読めるかと思います。実際のサークル名が出たりしている所もあるので、知っている人はニヤリとできたりもしますのでそういった楽しみもあるかと。
ま、そういうのは時事ネタっぽいところもあるので数年先だと無性に懐かしさを感じたりする可能性もある訳ですが…(笑