ゼロの使い魔10

ゼロの使い魔10 イーヴァルディの勇者

伝説の魔法系統の使える魔法使い貴族娘と、その伝説の魔法使い貴族娘の使い魔として召喚されたふつーの現代学生の交流を主軸に描かれる異世界ファンタジーブコメディシリーズ第10弾。
第10巻は、7万の大軍を単騎で足止めし英雄としてトリステインに戻り、騎士として主人であるルイズと同じ貴族の位階を得てと大躍進のサイト。そんな彼が仮面舞踏会で女王アンリエッタとフラグを立てたりした第9巻からの続きで、9巻ラストで伝説の系統魔法『虚無』を扱えるルイズを浚いにガリア大国の尖兵が送り込まれ、その尖兵の1人としてサイトの前に立ちながらも最後にはサイトを助け、ルイズを逃がした同級生、タバサをガリア大国から助けだすまでの話でした。
母と共に囚われの身となったタバサを、サイトたちはアンリエッタに直訴し、果ては反逆者の汚名を負ってでも助けに行きます。今後の展開が気になるくらいの後ろの見なささですが、若さゆえの爆走という感じで燃える展開ですね。
また今巻で、これまで仲間としてとか名前だけしか出ていなかった、『エルフ種族』がついにサイトたちの前に敵として登場しています。
キュルケがやられたり、サイトがルイズの虚無魔法の支援を受けて戦ったりと、戦闘シーンでも見所は多いのですが。それよりも明らかに力が入っているシーンがあります。

そう、ヒロインたちによる踊り子変装のシーンなどです。

いわゆるサービスシーンですが、ルイズ、キュルケ、モンモランシーの3人による踊り子の扮装が挿絵で描かれていたり、タバサのドレス姿が描かれていたりして、今巻かなり華やかでした。(笑
総評して、今巻はタバサの巻。幼い頃から苛烈な王宮での政治的争いの中にいて心を閉ざしていた彼女が、サイトやキュルケ、ルイズたち仲間に助けてもらう。その中でタバサが感じる気持ちは如何なるものか…そう考えると深いものがあります。