かぐや日記

かぐや日記―GIRL meets BOY from AKITSUSHIMA (電撃文庫)

かぐや日記―GIRL meets BOY from AKITSUSHIMA (電撃文庫)

かぐや日記

電撃短編小説賞を取った作者さんだそうで、電撃hpで短編を掲載していた方だそうです。
今回のこれは短編ではなく長編ですが、書き方というか、形体としては短編連作みたいになっていますね。
女性高校生作家として今現在も活動をする主人公でヒロインの川原かぐやは、自分の気持ちを表に出すのが苦手な女の子。優しさを誤解されても訂正できないような性格をしていますが、実は結構短気だったり後先を考えない所もある。最近は作家としての活動も煮詰まり気味。
そんな彼女のクラスに転校生がやってくる。整った顔立ちの男子で、鳳鷲一郎という彼は自動販売機の使い方を知らなかったりと不思議な一面が。なんとなく、そんな鳳に自動販売機の使い方を教え、ジュースを奢ってあげたかぐやは、それをきっかけに鳳に懐かれる。そして始まる鳳とかぐやを中心にして動き出す、不思議な高校生活…と。
鳳とかぐや、そして鳳やかぐやのクラスメートたちと過ごす日々を綴ったもの。それがこの『かぐや日記』ですかね。まさに日記、と言う感じで。
文体も日記に付随しており、かぐやの視点での一人称で物語は続いていきます。
鳳鷲一郎にはとんでもない秘密があったり、そんな鳳の親戚が出てきたり、クラスメートの密かな秘密がほのめかされたりと4月にあったことを日記に綴った分を、読者は読んでいくという形態。
感想としては、やや唐突な感じで物語が進んだりするところがあるのが目に付きました。
鷲一郎の親戚の登場も、前振りはありましたがそこからいきなり登場と言う感じで唐突感がありましたし、何故出てきたのかもやや意味不明?たぶん鳳とかぐやとの関係に一石を投じる為なのでしょうが、設定が少し変わっているので単純に一石を投じるだけの存在としては余分な設定が多く感じますし。
また、句読点が妙に多い行があったりしたのも目に付きましたね。7〜10文字に一度句読点がつくのは少し勢いが減じられて読み辛かった所も。
総評して、短編を繋げて繋げて長編にした、という印象を受けました。ちょっとづつ毎日読んでいくとかの読み方をするなら、良いのかもしれませんね。