アクセル・ワールド5

アクセル・ワールド〈5〉星影の浮き橋 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈5〉星影の浮き橋 (電撃文庫)

アクセル・ワールド5 星影の浮き橋

著者・川原礫先生。挿絵・HIMA先生。『第15回電撃小説大賞』受賞作品の第5巻目ですね。
・シナリオ
中学内格差の頂点・能美征二による謀略は去った。“スカイ・レイカー”も加速世界に復帰し、これにより黒雪姫率いる“ネガ・ネビュラス”は、他の軍団に見劣りしない勢力となっていった。とある日、ハルユキは軌道エレベータ“ヘルメス・コード”に日本の“ソーシャルカメラ・ネットワーク”が導入されるというニュースから、新たなるゲーム・ステージの気配を察知する。“宇宙”ステージ。そこに辿り着いたハルユキは、“謎の運営者”から提供された、“ブレイン・バースト”史上でも最大のミッションイベントを体感する―!「…鴉さん。これは、どういう、ことですか?」それはさておき、同時進行で発生していたのは、黒雪姫とハルユキのお泊まりイベントで、さらにそこに“スカイ・レイカー”ことフーコさんも乱入してきて―。 (Amazon商品紹介ページより抜粋。)
・感想
まず、今巻は今巻で完結している話でした。第3巻と第4巻が前後編の形式で続刊が待ち遠しかっただけに、この第5巻も前後編だったらまた嬉しくももどかしい待ちの月日が来るのか…?と思っていましたがそんなことはありませんでした。
今回の巻は新ステージ「宇宙」導入とそれに伴うゲームイベントという形での新舞台「ヘルメス・コード」でのちょっと特殊な形のブレイン・バーストでのバトルが見られるのと、前巻ラストで旧ネガ・ネビュラスメンバーで事情から派閥から離脱していたが再びネガ・ネビュラスの1員となった「スカイ・レイカー」が、様々な葛藤と向き合いながら再び黒雪姫―――ブラック・ロータスとの絆を再確認、新しい仲間たちとも絆を育み、新ネガ・ネビュラスのひとりとして新生していく話が見所ではないかと。まぁお姉さんキャラであるブラック・ロータスこと黒雪姫がハルユキの家に泊まることになったり、スカイ・レイカーが黒雪姫に対して感じていた後ろめたさにハルユキが真正面から立ち合った結果、またフラグを立てていたりと「有田春雪…なんというリア充…」というラブな展開も目白押しでしたけど。
シリアスな展開としては前巻前々巻で猛威を振るった違法VR機器・BICを脳にインプラントしている集団「加速研究会」がついにブレイン・バースト内で台頭してきます。多数の観衆の前に姿を晒し、システムへの干渉を行うなどブレイン・バーストプログラムそのものを相手にした策略をしかけてきます。それに対抗してハルユキ―――シルバー・クロウがまさかの強化外装を召喚してしまったりと、目を離せない展開が満載です。
次巻は秋予定、とのことで。今巻で新生したスカイ・レイカーがブレイン・バーストでどんな戦い方を見せてくれるのか、ネットでもリアルでも知り合いが増えるたびにフラグも増えていく春雪に次はどんな出来事が待っているのか、興味津々です。