第16話 「Fの残光/相棒をとりもどせ」

Fを冠する物語で、後編の第16話です。同時に新年最初のライダーWでもありますね。
前回は、偽仮面ライダー=アームズドーパントを追って翔太郎が変身したWが、アームズドーパントと戦うも亜樹子を人質にとられたことで敗北して変身が解け、フィリップは外に出てきたが何も出来ずマスカレイドドーパントのエージェント軍団に追いたてられて進んだ先で園咲冴子と出会ってしまったところで続く、となっていた話。今回はその続きからで、フィリップと冴子との遭遇から話が始まります。
冴子とフィリップの冒頭の会話、フィリップの冴子に対する「その冷たい目だけで、敵と判断するには十分だ!」の発言が冴子の性格を明確に指摘していて面白かったです。見た目だけでその性格を読まれる冴子…ある意味とても表情が顔に出やすい人、ってことですよね。
そしてファングのガイアメモリがここでフィリップと遭遇。ファングのガイアメモリが微妙に距離をとっているのはフィリップの意思…手助けを受けようとしない、というのを理解していると取っていいんでしょうか。そうだとしたらかなりの高性能AIなんですが、これを作ったのは誰なのか…?そんな疑問が再度浮かびます。ビギンズ・ナイトの時の事を見るとフィリップが作ったようには見えないもので…。
そんなこんなで翔太郎と亜樹子はアームズドーパントに人質に取られ、フィリップはひとりでどうするか悩んでいますが、そこでもファングのガイアメモリを相手に助けは要らないと物を投げつけるなどしていて、フィリップの葛藤の様子が見られます。でもそんな演出が、今回の話はフィリップがファングのガイアメモリを使うことで被る精神的辛さを乗り越える話でもある、というのがわかりますね。知識や情報が自分の存在理由でもあるフィリップにしてみれば、その知識を無視するファングの力は忌避して当然。でもあえてそんな力を使わないといけない時もある…そんな「優しくない世界」とフィリップが対峙する、というのが今回の話のキーに感じるのは的外れでしょうか?
ところで今回の亜樹子はいつものお調子キャラから一変して健気で、苦難の状況の中で翔太郎やフィリップを救うために絶望と戦うという重要な立ち位置になっていたのが印象的です。
そしてバトル。その前哨となるフィリップによるダブルドライバーの使用…ファングとジョーカーのガイアメモリによるフィリップのファング/ジョーカーへの変身。これで本当の意味で仮面ライダーWの誕生、ってわけですね。相棒同士の2人の男がいて、どちらかが状況に応じてWに変身することで多彩な問題に多彩に対処できる…そういった意味でWは真に誕生したといえるでしょう。さてファング/ジョーカーはフィリップが忌避した理由も窺い知れる圧倒的攻撃力=破壊力とその暴走振りを見せ、状況を制圧します。それでも止まらないファング/ジョーカーは亜樹子ごとアームズドーパントを倒そうとしたところで翔太郎に止められます。相棒の絆で理性を取り戻させる…2人で1人の仮面ライダーの、本領発揮です。その本領発揮した後のファング/ジョーカーはフィリップの理性が戻ったということで動きが変わっていたのが印象的です。ところでマキシマムドライブの攻撃とか、名前があるのはみんな翔太郎が考えていたのですね。ファングストライザーとか…てっきりガイアメモリに設定として「必殺技:ファングストライザー」とかって感じに登録されているのかと思ってました。
そして最後はファングストライザーでアームズドーパントを倒して、黒幕となる冴子=タブードーパントを翔太郎Wで追いかけて、トドメというところで霧彦=ナスカドーパントが格好良い所を見せつつ助けて、翔太郎Wもヒート/メタルで子供を助けて汚名を返上して幕、と終わってみれば万事丸く…と見せかけてオチはフィリップが減量のリバウンドでオデブになっていつもの探偵事務所の喧騒が戻って…という最後。ヒーロー物はやはりこういう楽しい終わりが一番気持ち良いですね〜。
次回は第17話「さらばNよ/メモリキッズ」。社会の闇(ガイアメモリ)が子供たちの手に渡り、子供たちが事件を起こす…という感じになる様子。ある意味社会風刺っぽくてどんな展開、どんな結末が見られるのか気になりますよ〜。