強行軍っ!

2008年05月25日。
泊まり泊まりで


仕事が終わって帰宅してから、30分後には再び家を出る私がいました。(゜∀゜)w
時間の都合が合ったので、思いつきのように友人を誘って映画版「ひぐらしのなく頃に」を視聴してきました。

しかしながら…これは、ジャンルはホラーではなくギャグだろ…!w

作品の内容はゲーム版のひぐらしの『鬼隠し』編の実写化、なんですが…かなり細かいところにこだわりを「感じない」作品でした。ゲームグラフィックのキャラクターのイメージと、配役の出演者達の間に齟齬が大きいです。「なんだこのコスプレ軍団は…」と思うような感じで、見た目からして正直微妙でした。
まず主人公たる前原圭一。これはキャストの見た目や演技力がどうとかよりも、『脚本上の前原圭一そのもの』に、元気さが足りない気がします。「部活」シーンが無いだけに彼の持つ爆発力、いざと言う時の突撃力が描写されておらず、全体的に力の抜けたただの斜に構えた現代っぽい子供にしか見えませんでした。
園崎魅音も明るい元気な少女としてのみ描かれていて、原作で時折見せる「おやじっぽさ」見たいなアクセントはまるで削られていました。竜宮レナは世話焼きの可愛い子、として描かれていてやはり原作の、可愛い物には目が無く持ち帰ってしまいそうになったりする部分など、どちらもギャグ的な要素が削られていますね。その分でどちらも魅力半減でした。
沙都子、梨花にいたっては完全な脇役キャラ。元々鬼隠し編ではそういう立場だったとはいえ、ゲームだと前半に書かれる日常風景で「部活」などをしているシーンで登場し場の盛り上げに貢献し、その楽しそうな風景が後半の惨劇の悲惨さを強調しているはずなのに、完全脇役化しててそういった魅力の掘り下げも無くなっていて全体的に登場人物の魅力が感じられないシナリオでしたね…。
また、富竹とか鷹野とかの所謂『時報』キャラは、陽の世界で平凡な生活を送っている圭一を裏側の世界―――ひぐらしの陰の部分の始まりを主張するようなキャラクターなのに、表も裏も無くむしろずっと裏で、暗い雰囲気を出すと言うよりやたらと奇妙に怪しい雰囲気を出すキャラクターになっていて、なんだか役割としては中途半端だったかなぁ、と。その点で言うと大石もキャラクターが違う気がします。飄々としながらも辣腕の古参刑事で、定年退職前の初老の刑事だった筈なのに中年のおっちゃんになっていて、しかも老獪とも言える巧みさで『雛見沢村連続殺人事件』を追いかける背景の筈が圭一に直接的に疑問とか不信感をぶつけるだけのキャラクターになっていて、これも違和感でしたね。
作品自体は妙にホラーテイストの演出が目に付いて、逆に冷めましたね。雛見沢の過去の話で磔にした女を綿流しするシーンが出ますが、無闇矢鱈と悲鳴を響かせたり単に腹に向かって鎌?鉈?を振り下ろすシーンがあったりして妙に恐怖を演出しようとしていて、むしろ冷めましたよ。レナによる「嘘だっ!」のシーンも、あれはその前までの圭一とレナの会話が、じわじわとした不信感とか黙っていることがあるという後ろ暗さが積もっていって不意を着くように発言するから驚愕があり効果的なのですが、どうも広々とした場所で文字を交えて表現した為か、むしろ笑いが吹き上がりました。単純な言葉だけの演出で効果的な表現が出来なかったから文字を使ったのか?と邪推してしまうほどに…。
そんな訳で今日は「ひぐらしのなく頃に」劇場版を見てきましたが、評価としては、原作を知っている人にはその表現に違和感を、原作を知らない人には問題提起編だけということで不完全燃焼感がどうしても残ってしまって、どうにも中途半端な印象を覚えるでしょう、というところですね。

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