電王&キバっ!

2008年05月18日。
劇場版『仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』


ようやく視聴ですよっ!
話はとても馬鹿馬鹿しいとさえ言える、ノリで最初から最後まで文字通りクライマックスな盛り上がりの作品でしたね。

電王の予備パスが盗み出され、それを探すためにデンライナーが警察の真似事をしているという、始まりからしてノリ重視、辻褄合わせとかはまるで無視のクライマックス状態でのスタート。続いて警視庁からの出向刑事が来るというどこからデンライナーの事を知ったのかとか、何故か良太郎が渡と出会うとか、デンライナーに良太郎の姉の愛理や取り巻きの尾崎、三浦といった面々がやってきたりとか、とにかくツッコミ所満載の映画でしたね。
しかしながら、イマジンたち―――モモ、ウラ、キン、リュウたちがこれでもかと動いていて、各人の個性が光る演出や殺陣があったりし、またそれにキバットバット3世が絡む冒頭のおまけ的映画「モモタロスのキバっていくぜ!」も笑え、「電王&キバが主役」の映画ではなく、「電王の映画+キバもおまけで出演」というスタンスで見ると一番楽しめるのではないでしょうか。
正直に言えば、ファンガイアが関わらなくても―――キバの出演がなくても、十分電王の映画として成り立っている作品だと思います。ですがキバが出演する事で、渡の中にモモタロスが入ってしまうとかのTV作品ではありえない演出が見られ、小技的な意味で面白みが増しているとも思いました。それにやはり、二大ライダーが揃い踏みして必殺キック―――という流れは往年の仮面ライダーシリーズにもあった、現ライダーのピンチに駆けつける旧ライダーという形で実現していてその流れそのものが昔から仮面ライダーを見ている人には小気味が良いですね。
それに劇場版恒例になりつつあるのでしょうか、旧作品からのゲストキャラの出演。今回は『仮面ライダー剣』から相川始ことジョーカー/仮面ライダーカリスであった森本亮治さんが出演していました。チョイ役にでも懐かしい見た顔がいるのは、ゲストキャラを見る楽しみのひとつだと思います。
またCGを多用し、デンライナーと敵の操るデンライナーとの壮絶な爆発などの演出を交えながらここでもキバとの共闘―――キャッスルドランと並び立つデンライナー、ゼロライナーなどで魅せる戦いはとても爽快でしたね。ただ等身大の活躍時にもコハナの活躍などでCGが多用されているのは少々興醒めなところもありましたが。とは言えこれは、等身大キャラの立ち回りではやはり身体を張った活躍が見たい、と言う昔のライダー好きのサガなのでしょうが。
総じてこの劇場版電王、第1作と比べるともうお祭騒ぎのトンデモ話。しかしそれだけに、全てをノリで許せる人が見るならこれほど楽しめる作品は仮面ライダーシリーズにはあまりないのではないでしょうか。