退魔生徒会帝都天外抄

退魔生徒会帝都天外抄―Replay:真・女神転生TRPG魔都東京200X (integral)

退魔生徒会帝都天外抄―Replay:真・女神転生TRPG魔都東京200X (integral)

退魔生徒会帝都天外抄 Replay:真・女神転生TRPG 魔都東京200X

著者・朱鷺田祐介先生。挿絵・黒百合姫先生によるTRPGシステム、『真・女神転生TRPG魔都東京200X』のリプレイ本です。前作である『聖華学園退魔生徒会』の続編物になります。とはいえ続編と言っても話の繋がりはあっても、それで1つのシナリオをプレイングしてるという訳ではないので、ここから読んでも大体大丈夫、という事で。
・登場人物
豊野香苺、チャーリー・ウェリントン、溝呂木麟、笹塚千代、という4人のPCで組まれたパーティが、所属する学園の生徒会から怪しい物事担当の「退魔生徒会」として依頼を受け、それらを解決する1話完結形式が基本のプレイングです。
が、今回の内の一話では過去と言うか、別世界での話になりチャーリー以外のメンバーが微妙に変わります。豊野香苺は日高桜、笹塚千代は八千代、溝呂木麟はドクター・溝呂木とそれぞれ微妙に似て異なる者になります。
・シナリオ
「退魔生徒会」…名門私立高校・聖華学園内に存在する、生徒会長直属の秘密チーム。学園周辺になぜか頻発する怪異事件を極秘裏に処理することがその使命だが、メンバーは相も変わらずゆるゆると…。旧図書館の整理を頼まれた一同。謎の少女の影を追ったチャーリーだけがなぜか大正二十年という、存在しない過去の世界へ。事件を解決するも、休むまもなく今度は生徒会長戦。現会長に推薦された苺が立ち向かうは、十武神!コンシュマーRPG『真・女神転生』『真・女神転生2』の世界観をベースにしたTRPG『真・女神転生TRPG魔都東京200X』のリプレイ・シリーズ第4弾。(7&YHPより抜粋。)
・感想
今巻は退魔生徒会シリーズの第8話となる「帝都超力大戦」と第9話「対決十武神!」の2話が収録されていますね。
第8話は主役をチャーリーとして、PS2ゲーム「葛葉ライドウ対超力兵団」の舞台ともなった架空の時代「大正20年」を舞台に、そんな世界に迷い込んでしまったチャーリーが苺、千代、麟の前世と言う設定の桜、八千代、ドクターと超力兵団の陰謀を砕く為に活躍する話。大正ロマンの香り溢れるモダンな雰囲気の中、ずしんずしんと音を立てて登場する巨大変形ロボを相手にするという、荒唐無稽な活劇仕立てになっています。
第9話「対決十武神!」は生徒会長選挙を学園祭での活躍度合いで決めると言うもので、何かのエキスパート達を相手に交渉したり対決したりして結果を得ていくと言うシティ・アドベンチャー型のもの。それを苺が生徒会長となる為にライバルとして登場するNPCたちを相手にしていく、という形になっています。
前巻と合わせて見ますと、前巻と今巻とでそれぞれモチーフにしている女神転生シリーズがあって、その世界で苺を初めとするPCたちが活躍している、という印象を受けますね。前の巻の屋久島を舞台にしたりした第6話の「期末試験異常あり」と第7話の「屋久島山姫伝承」は『ペルソナ3』、今巻の第8話「帝都超力大戦」は『葛葉ライドウVS超力兵団』の舞台がそれぞれモチーフ、と感じます。
しかしそろそろPCプレイヤーたちが上級レベルに達してきている気がします。今巻ではBOSS級として用意されたエネミーを、スキルとの組み合わせで苺が一撃必殺で倒しているシーンなどがありますので。次巻ではハロウィーンを取り上げて扱うと予告されていましたが、果たして単純に戦闘力が強力になっているPCたちを相手にどんな敵が現れるのでしょうか。単なる力技で押すエネミーはもはや敵では無くなってきた感じですので、屋久島で戦ったような状態異常を引き起こす攻撃が得意などの絡め手で攻める敵が出るかな、と私は考えていますが。