バカとテストと召喚獣3

バカとテストと召喚獣3 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣3 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣

著者・井上堅二先生。挿絵・葉賀ユイ先生による学園ギャグコメディバトルもの、でしょうかね。学力でクラス分けをする制度の文月学園。しかし文月学園はただの学校ではない。学力に応じた力を持つ『召喚獣』が召喚できるシステムを試験的に採用しているのだ。そんな制度の中で行われる上限無制限の学力テストで振り分けられるクラス分け。その中でも最底辺のFクラスが、全ての物語を巻き起こします。
・登場人物
主人公で真性バカなFクラスのトラブルメーカーだけどムードメーカーでもある吉井明久。クラス分け試験日に熱を出してしまいAクラスの実力ながらFクラスに在籍中の巨乳な美少女、姫路瑞希。帰国子女で日本語がまだ微妙に怪しいためFクラスに在籍している明るく元気な胸無し美少女、島田美波。通称ムッツリーニと呼ばれる保健体育の王こと土屋康太。演劇部に所属していて、Fクラスの色々な意味で有名な4人の1人ながら明久、ムッツリーニ、悠二と並ぶと唯一常識人な美少女顔の男子学生、木下秀吉。明久の悪友でFクラスの代表をしている昔は神童と呼ばれたが今ではすっかりその影も無い普通のバカになっている坂本悠二。そんな坂本悠二に心底惚れこんでいて悠二との幸せな未来の為ならどんな事でも(ストーカー的行為でも)やってしまうAクラス在籍の恋する和風美少女の霧島翔子。明るいエロスを振りまく生徒で、ムッツリーニの女版の様な工藤愛子。島田美波LOVE!で美波と仲の良い明久を親の仇の如く凄い目で見たりする清水美春。そんな問題児達が大概迷惑をかけるFクラス担任の鉄人こと西村先生。
ざっと登場人物はこんな感じで。他に教科ごとの先生やクラスメートたちなどが出てきますね。っていうか改めてこうやって書くと美少女多いなぁっ!(笑
・シナリオ
学力強化合宿を翌日に控えたある日、明久のロッカーに一通の手紙が置かれていた。「こ、これはもしや…!」胸ときめかせながら封を切る明久だが、その中身は「あなたの秘密を握っています」という脅迫文と、明久の恥ずかしい写真の数々だった!犯人を探し出すため、やはりここは女子風呂を覗くしかない!?さあ行け!我らがムッツリーニ!「あ、あれ?僕の出番は?」(by明久)。超人気御礼!青春エクスプロージョン系ラブコメ第3弾。

「最悪じゃあーーーっっ!!」 泊りがけのドキドキイベント、文月学園強化合宿を翌日に控えたある日、明久のロッカーに一通の手紙が置かれていた。胸ときめかせながら封を切る明久だが、その中には明久の恥ずかしい写真と「あなたの秘密を握っています」という脅迫文が! さあ犯人探しに立ち上がれ、我らがムッツリーニ! 「あ、あれ? 僕の出番は?」(by明久)   抱腹絶倒、ドキドキ強化合宿を舞台に贈る、えんため受賞作第3弾!(7&YHPより抜粋。)
・感想
この巻もこれまでの前2作に劣らず、バカなノリでバカな事をしていました。しかし笑って見られる快作品として出来ていましたね。
今巻は学力強化合宿が舞台です。
合宿前、明久の下駄箱に脅迫状が届く。それは明久の文化祭での恥ずかしいコスプレ写真でありこれをばら撒くと言う脅迫に明久は何とかして犯人を探そうとする。同じ頃、悠二は突撃ラブコールを続ける翔子から捏造されたプロポーズの言葉が入ったMp3プレイヤーを取り上げていた。ムッツリーニの調べによると明久の脅迫者も悠二の捏造セリフ作成者もその両方の犯人は同じだと言う。そしてその犯人が女生徒でお尻には火傷の痕があることを突き止めるが―――それを確かめる手段が無い。覗きでもするしかないね!とか笑っていっていると、そんな折、合宿先で本当に覗きが発生。明久たちは覗き魔と間違われ、折檻を受ける。その後、「やってもいないことで謂れを受けるのは我慢ならん!」と悠二が言い出し、バカな発想ながら「ならば本当に見てやろうじゃないか!」と全力で覗き行為をしようとして引き起こる一大バカ騒ぎ、というのがこの巻での出来事ですね。
大まかな流れを書きましたが要は「明久たち男子の覗き」VS「姫路や島田を始めとした女生徒たち+先生達も協力による覗きの妨害」。これがこの巻の終始変わらず貫かれたバカ騒ぎです。
ギャグそのものともいえる文章―――テンポの良い会話によるネタ降りと間髪入れない素早いツッコミは時間を忘れますね。井上堅二先生にかかれば甘酸っぱい青春の一ページ、少年と少女は大人への階段を上ってしまうのか!?的な展開もギャグによる爆笑シーンになってしまうから御見事と言えますね。
また、今巻でも健在のバカテスト。相変わらずのトンデモ発想には関心と爆笑が待っていました。
青春の暴走と後に残る笑い話の思い出。阿呆な発想と馬鹿な行動に彩られた、明久たちの忘れられない強化合宿の思い出を楽しめると思います。そしてラストは気になる引きで終了。彼女が取ったその行動の意味は―――?と、次巻への布石も忘れておりませんでした。