ステレオタイプ・パワープレイ2

ステレオタイプ・パワープレイ2 〜イビルアイズ〜

著者・川口士先生。挿絵・ぴと先生による第3回SQUARE ENIX 小説大賞入選受賞作だそうです。
・登場人物
主人公の、小学生時代に異世界を救った元勇者で中学生時代に宇宙海賊から汎銀河の帝国を救った救世主で高校生になってから北欧で秘密結社ノスフェラトゥ機関と戦い倒した事があるという石川涼。ヒロインはそんな涼の幼馴染の佐賀夢乃。涼の義妹の福井希美。涼の義母の福井美幸。異世界ファルガードスの神君の巫女であり涼をかつて異世界に召喚したシグ=リリン。異世界ファルガードスの魔族の頂点である魔王のサラ・パラム・ティバ。涼と共に汎銀河を荒らしていた宇宙海賊を撃退し、平和を取り戻したナーラ・スィーフィーア・ダイアスト・アヴァロニア。ノスフェラトゥ機関と戦っていたアンドロイドの富山楓。魔物が封じられていた魔道書が破れ中の魔物が放たれてしまい、魔物の最封印のために多数の実績を持つ涼を頼ってきた宮崎愛深。新登場に義眼の力でサイコメトリーができる涼のストーカー、長野聖。主人公&ヒロイン・サブヒロイン、といったところはこんなところで。
敵役としては、邪眼使いの岩手智紀ひとりですね。この相手が今回色々な仕掛けで涼を悩ませます。
・シナリオ
幼なじみの少女が思った。
親しい仲の魔導士が願った。
彼を崇拝する異世界人と、
彼に恩義ある魔族の少女と、
彼を称える宇宙人が望む。
愛する母と妹は思う。
『眼の前にいる、石川涼を殺したい』
―そして始まった、愛憎渦巻く全面修羅場のパワープレイ。(7&YHPより抜粋。)
・感想
1人の邪眼使いを相手に、涼が引っ掻き回されるのがこの巻でしたね。
今巻では異世界に行ったり汎銀河の果てに行ったりはしませんが、逆に涼の危機にそれらから応援が来る、といった感じです。今まで異世界などに助けに行っていた涼が、助けに来てもらう、という逆の展開というわけですね。しかし今回の相手は邪眼使い。一種の催眠術師が相手で、助けが多く来るほどに逆に涼がピンチになっていましたね。
という訳で、今回の舞台はもっぱら現代世界。現代を舞台に邪眼による催眠に掛かったヒロインたちに襲われながら涼が何とかしようとするのが主な話の展開でしたね。
その中で催眠を解く為にショック療法を使っていて、それが殺伐としている話に清涼剤的に閑話になっていましたね。定番の視覚的ショックによるものが多かったですが、直接的なもの、準備を経ての間接的なものから大事な記憶を揺り動かすものまで色々で飽きがきませんでしたね。
そんな催眠による行動が、「女性がなには無くとも石川涼を殺そうとする」となっていて、傍から見ると女性にだらしない男が受けるもの凄い修羅場、となっており、その辺りの周囲の誤解振りも笑いの要素になっていましたね。そしてそれは笑いだけでなく、新たな修羅場を招き寄せていたりして二重の意味の要素になっていたりして。