ドラゴンクライシス!4

ドラゴンクライシス!4 新学期は大騒ぎ!!

著者・城崎火也先生。挿絵・亜方逸樹先生。遺物探索トラブルアクションラブコメディ、とでもいったところでしょうか。著者の他作品は「嘆きの館」、「鬼刻」シリーズ、などがありますね。
・登場人物
主人公で『遺物』の特殊能力を引き出す能力を持つレベル10遺物使いの如月竜司、レッドドラゴンの幼生体で竜司に懐いて一緒に居る金髪碧眼の少女ローズ、竜司のハトコでトラブルメーカーな女子大生で遺物探索家の七尾英理子。この三人がメインキャストというところでしょうか。前巻登場でこの巻からレギュラー化?として元・大怪盗のオッドアイことアイも出てきますね。今巻登場の新ヒロインとしては、世界遺物保護協会から竜司の遺物レベル調査の為に、赤い髪とチャイナドレス+白衣という特徴の17歳の遺物研究者ビアンカが登場します。他のサブキャストとしては竜司のクラスメイトの江藤実咲、相川真央、真央の双子の兄妹の真人、などですかね。
・シナリオ
レベル10遺物使いとしての登録を決心した竜司。美少女たちを巻き込んだ激動の夏休みも終わり、平和な2学期が始まるはずだった。だが、竜司に夢中なドラゴン少女のローズが一年一組に転入!?その上、バズーカをかついだ白衣の美少女が乱入!!彼女は世界遺物保護協会の研究員で、竜司の調査にきたのだ。アブない身体測定が始まり、狼少女のアイも乱入して大騒ぎ! 学園恋愛バトル開幕!!(裏表紙より抜粋。)
・感想
新登場のビアンカのキャラクターは、とても特徴的でした。若干あざとさが目立つかな?と思うくらいに。平時はチャイナドレス+白衣で赤い髪に眼鏡と、これまで登場したキャラクターが持っていなかった所謂『属性』を詰め込んだら出来た、的な外見で、他に「珍しい遺物研究に目が無い」「眼鏡を無くすと銃を乱射するほど取り乱す」「実は少女な一面を持っている=竜司の父に憧れを持っている」など、これまでにいなかったキャラとして痒いところを突こうとするキャラクター、そんな印象でしたね。
また前巻から引き続いて登場のオッドアイ改めアイ。有名女子高に通うことになり、それでも竜司を慕って竜司のところにやってくるがいろいろ誤魔化したりしてそれを認めようとしない、という自分に素直じゃないけど健気なキャラとして再度登場、といったところですか。名目共にサブヒロインとして立脚した、といった感じですね。
今巻ではローズはやや影の薄い印象でした。華やかに活躍するところでは活躍したりしていましたが、この巻では主眼がビアンカよりに置かれていて、サブにアイといった形で、ローズを中心とした騒動は書かれておらずそれもローズの影をやや薄く見せていた要因ではないでしょうか。とはいえメインヒロインだけあって、他のサブヒロイン(英理子や実咲といった面々)よりはよほど見せ場も、場の引っかき回し具合も多かったですが。
総じて見ると、この巻は竜司がローズたちに出会う前に送っていた『普通の生活』が、その生活に重なった遺物やその関係者などの影響で起こり引っ掻き回されるドタバタ劇が中心、ですかね。本編的にも重要そうな話や伏線などが張られていますが、印象としては『日常の中に混じった遺物或いはそれに関するものによって引き起こるトラブルを書いた短編連作風』といった感じでしょうか。無論、ストーリーもありますし短編連作というには話と話の間に関連性が多く、間違いなく本としては長編なのですが、それでも私が個人として感じた印象だけで言うと、「遺物を絡めた話が本筋としたらこの巻は少し外れたところにある、学園を中心とした話=短編 っぽいなぁ」ということで。