タロットの御主人様。2

タロットの御主人様。〈2〉 (電撃文庫)

タロットの御主人様。〈2〉 (電撃文庫)

タロットの御主人様。

著者・七飯宏隆先生。挿絵・YUKIRIN先生による学園アルカナラブ・コメディの第2作目です。著者先生の他の刊行本は「座敷童にできるコト」シリーズなどがありますね。
・登場人物
主人公で前巻でうっかり散らばらせてしまった『クロウ・クルアッハの聖隷のタロット』を集めなければならなくなった高校生占現師、四阿秋人。秋人の幼馴染で秋人が集めなければならないクロウ・クルアッハの聖隷のタロットのひとつ「隠者」に憑依されていて秋人の協力の元でのみその『時間を操る』力を行使できるようになった古城結夏。結夏同様に聖隷のタロット「節制」に憑依されていて『水を操る』力を秋人の協力の元でのみ使える八久住香澄。秋人の祖母に仕えていて、亡き祖母が秋人のために残していた式神ジブリール。味方陣営はこんな所で。
敵側として今回登場は聖隷のタロット「女教皇」で『天下の鷺宮グループ』と呼ばれる旧華族の娘、鷺宮籐子。天才少女と呼ばれる飛び級少女「運命の輪」の三崎美咲。この2人が相手ですね。
他には元々クロウ・クルアッハの聖隷のタロットを秋人のところに持ち込んだ少女アメジスティアや、秋人たちの同級生の猪熊勲、といったあたりで。
・シナリオ
勝ち気で意地っ張りな幼なじみ・古城結夏と、長い前髪の隙間から覗く瞳がキュートなクラスメイト・八久住香澄。タロットを司る彼女たちに封印をして、どうにかタロットたちの『御主人様』に収まった四阿秋人は、『持ち札』となった二人と極秘の共同生活を送ることに。しかし残りのカードが襲ってくる気配は一向になかった。そんな時、名門お嬢様女子校・聖ケーリー・イェール女学院にて不可解な“占い”が流行り始める。やがて学院を揺るがす大騒動に発展したその中心には、十年に一人の超お嬢様・鷺宮籐子というカリスマ美少女の影が見え隠れして…!?キスから始まる学園アルカナラブコメディ第2弾。(カバー折り返しより抜粋。)
・感想
今回は潜入劇。名門お嬢様女子校に現れたタロットを回収するべく、秋人は結夏、香澄とともに”とある方法”で潜入します。ラブ・コメディの『コメディ』の名に恥じないドタバタ劇が見られていましたね。
ラブに相当する部分は所々で少し見えていました。結夏が秋人に素直になれなかったり、香澄が秋人がらみで家族に冷やかされて慌てていたり、と。が、一番大きなところはラストでの話でしょうかね。お約束の展開と締め、ラブ・コメディの王道的な形でした。
ですがラブ・コメディの割に戦闘シーンが結構大きな割合を占めていた巻でもあるかと思います。
2つのタロットによる二重作戦。それに対して秋人側も敗北を踏まえての再挑戦では作戦的に、戦術を駆使して対応。自分たちの使える力を有効に使い勝利をもぎ取ろうとしていましたね。
正直な話、第1巻の時点からとても美少女ゲームちっくだなぁ、と思っていましたがこの巻での登場人物の『属性』がまた美少女ゲームちっくで、輪をかけてそんな感じが強くなりましたね。基本である「同居生活でうっかり覗きをしてしまったりしてバチコーン!」や「自分の下着を同居相手の女の子が手にしてしまって赤面」とかやってますし。「この秋人という男、ハーレムルートを目指す気か!」というくらいのフラグを立てている秋人の今後のコメディにこれからも期待、ですかね。