レンタルマギカ12

レンタルマギカ―魔導書大全 (角川スニーカー文庫)

レンタルマギカ―魔導書大全 (角川スニーカー文庫)

レンタルマギカ12 〜魔導書大全

著者・三田誠先生、挿絵・pako先生による異種魔法格闘戦ノベル、ですかね。三田先生は他にスニーカー文庫「精獣戦争」シリーズなどを書かれていて、pako先生はPS2ゲーム「シャイニング・フォース イクサ」などの原画を描かれていますね。
・登場人物
主人公の魔眼持ちで社長の伊庭いつき。ヒロインにアストラル社員でケルト魔術使いの穂波・高瀬・アンブラー。サブキャラクターに陰陽道でオカルト雑誌や占い誌でライター業を営む猫屋敷蓮、小学生だが巫女でもあり過去の辛い思いを乗り越えてひとつ大きくなった神道の葛城みかん。騒霊現象<ポルターガイスト>を起こせ加えて顕現現象<アポート>も使えるようになった文字通りアストラル幽霊社員の黒羽まなみ。先代アストラルメンバーで、両界曼荼羅を使う頼れる兄貴的な密教法師の隻蓮。第10巻から登場の新キャラクターは、ルーン魔術使いでアストラル会社員としても有能な敏腕新入社員、オルトヴィーン・グラウツ。以上が魔法使い派遣会社「アストラル」陣営という形で。
純正魔法使い集団「ゲーティア」陣営ではありますが、アストラル経営権の2割を持つ大株主という立場を持つとして、穂波同様ヒロイン格ということでソロモン王の魔術使いアディリシア・レン・メイザース
・シナリオ
今世紀最強の魔導書絵巻がここに登場!異種魔法格闘戦『レンタルマギカ』を彩るpakoの美麗イラストがここに集結。雑誌、ドラマ、CD、さらに珍ラフ集などファン必見の30点。さらに、猫屋敷が連れている4匹の描から見た“アストラル”の歴史を描き下ろしイラストで綴るショートストーリー「本日は猫日和」、穂波とアディの結婚騒動を描いた「魔法使い、結婚します!?」も収録。これを見ずして『レンタルマギカ』の魅力を語ることなかれ。(裏表紙より抜粋。)
・感想
小説という形態を取っていますが、完全にイラスト集ですありがとうございました。(ぁ
全120ページ程で、内の半分が小説、もう半分がレンタルマギカの掲載雑誌であった「ザ・スニーカー」に載せられたイラストを縮小して挿入、という形で。前半部分が2005年から2007年末までのザ・スニーカーに掲載されたイラストを順不同な感じで、その最も前の部分。イラストが始まる直前に書き下ろしの絵本仕立ての小説「本日は猫日和」、という猫屋敷の過去から今までを猫屋敷の式猫である猫たちの視点で追っていく話が掲載されています。イラストを越えて後半部分。そこから60ページほどの短編「魔法使い、結婚します!?」が掲載。アディリシアと「ゲーティア」で問題が起き、解決の為にアディリシアがアストラルに「レンタルマギカ」として穂波を借りに来て〜という入り方の話です。バトルとかは無く簡潔で、いつきと穂波がレンタルマギカとして、アディの「荒っぽくないけどちょっと困った件」に携わる話でしたね。魔法使いの世界と一般の世界との感性の違いがちらりと見えたのと、その両方に携わっている人としてのいつきの意見。現在進行中の長編とは何の関係も無い短編ですが、だからこそ力を抜いて楽しめる話ですねー。
基本的に装丁はカラーで、紙質もソコソコ良いです。ですが半分イラスト集みたいなものなのにサイズは文庫本サイズ。これでかなり損をしている感じがしますね。それに初出一覧もわかりづらいです。ページと何年何月号に掲載、とは書いてあるんですが肝心のページ番号がイラストの所には振られていません。ですので、ページ番号が振られる小説部分から逆算したり、一番初めのページから順に数えたりしてしないと、「このイラストは何年何月号のザ・スニーカーに掲載だったのか」というのがすぐにはわからないんですね。その点もマイナス要素でしたね。
ですがおまけのボツイラストなど、ココでしか見られないものも多いのでファンとしては買ってみても損はないかと。逆に初めて「レンタルマギカ」シリーズを買うとして名前の「魔導書大全」に解説本とかムックっぽいものか?と思って買ったりしたら大いに騙されてしまうと思いましたねー。