ナイトウィザード 柊蓮司と宝玉の少女<上>

ナイトウィザード The ANIMATION 柊蓮司と宝玉の少女 上巻 (ファミ通文庫)

ナイトウィザード The ANIMATION 柊蓮司と宝玉の少女 上巻 (ファミ通文庫)

ナイトウィザード The Animation 柊蓮司と宝玉の少女<上>

著者・伊藤和幸先生&菊地たけし先生。挿絵・石田ヒロユキ先生&みかきみかこ先生。原作システム構築者に原作挿絵の二大巨頭。メインに小説部分を書いた人は最初期からのナイトウィザードスタッフの1人。ナイトウィザード関係者目白押しですね。
・登場人物
魔剣使いの柊蓮司、蓮司の幼馴染で陰陽師の赤羽くれは、メインヒロインだが色々謎の志宝エリス、謎の超人?キリヒト。サブキャラクターには別シリーズからの参加者が多いですね。リプレイ「紅き月の巫女」ヒロインだった強化人間の緋室灯、同シリーズでPCキャラの1人だった夢使いナイトメア、魔術師のマユリ=ヴァンスタイン。傍若無人の世界の守護者アンゼロット、などが出てきています。これまでのシリーズに手を出した事がある人ならお馴染みの面々、といったところですか。
敵役もお馴染みの面々がメインでしたね。これまでの作品にも顔を出している魔王、<蝿の女王>ベール=ゼファー、他にもルールブックを持っていたりファンブックを持っている人にはお馴染みの<東方王国の王女>パール=クール、<秘密公爵>リオン=グンタ、他にも色々と魔王が目白押しでした。
・シナリオ
世界を裏側の世界…裏界から支配しようと次元を超えて侵略してくる侵魔<エミュレイター>たち。世界の常識が通じない相手に対抗できるのは同様に世界の常識から外れたところにある『魔法』を使える者たち<ウィザード>のみ。世界はそうして昔から侵魔とウィザードとの戦いが繰り返されてきた。
その中で強大な力を秘めた七つの宝玉をめぐり、魔王たちとウィザードたちの戦いが始まる。
魔剣使いとして数々の戦いを繰り返し、地球に迫る大隕石を砕く勇者の手助けをし、異世界に攫われた幼馴染を救いに次元を越えて別世界でファンタジーな冒険をし、未来で世界を滅ぼす魔王の誕生を阻止する為に現在で1人の少年少女を救うために戦い、また異世界の巫女に召喚されて魔王を倒す勇者をやったりと、激動の人生を現在進行形で過ごしているウィザード、今巻の主人公の柊蓮司。今回の彼の使命は、前述の宝玉を巡る魔王との戦いに参戦し、宝玉を集める事。
だが「慈愛の宝玉」と言う宝玉を手に入れるために幼馴染の陰陽師、赤羽くれはと侵魔との戦いを繰り広げていた中、突然現れた美少女が慈愛の宝玉をその腕のブレスレットの中に納めてしまう。侵魔との戦いが終わった後、蓮司とくれはが美少女―――志宝エリスを連れてアンゼロットの元に戻り、色々調べてみるとエリスは宝玉に関する重要人物であることがわかる。その為にアンゼロットの命もあり、蓮司はエリスを守護することになる。
他方、世界各地では魔王級侵魔と名立たるウィザードたちが戦いを繰り広げていた。宝玉を取ったり取られたりしながら続く戦い。
宝玉を巡る戦いの行方は。そしてエリスの正体は―――? といったところで。
・感想
これまで名前は知られていたが、はっきりとしたイメージが掴まれていなかった魔王が色々とセリフ付きで登場してきてそれだけでもだいぶ面白みがありますね。パール=クールが火魔術をバンバカ使うタイプ〜というのも、イメージにマッチしますので妙に納得できますし。魔王のオンパレードなのは小説としてもあるのでしょうが、第一次侵魔VSウィザード大戦とも言える「マジカル・ウォーフェア」の前哨戦である事態として規模の大きさを示すとしてかなり大盤振る舞いできた、と感じられましたね。
内容としては魔王との戦いなどのシーンは、かなりTRPGに近いイメージが沸きますね。条件を整えたり達成すれば勝利になる逃亡戦だったり、絶体絶命の状況でも解決策があったりと、「クリアしてハッピーエンドへ行くための道」が用意されています。そういった視線で見ていると、登場人物たちの判断ひとつひとつがとてもTRPGっぽいです。生っぽいというか、ライブっぽいというか。セッションしてからそれを元に脚本上げたりしてるんじゃないか、と思えてしまうくらいに。
アニメ版と近い内容ということで、登場人物やスタートセッティングが近似していますが、エリスの性格が微妙に違っていたりしますのでIfの話として楽しめる作品ではないでしょうか。
しかし既に上巻で色々とアニメ版の内容のネタバレにもなりかねない話も出てきているので、その辺りは覚悟して読む必要がありますかね。具体的に上げればエリスの正体とか…