きゅーきゅーキュート!5

きゅーきゅーキュート!5(MF文庫J)

きゅーきゅーキュート!5(MF文庫J)

きゅーきゅーキュート!5

著者・野島けんじ先生。挿絵・武藤此史先生による学園マジカルファンタジックラブコメディ、といったところですかね。
・登場人物
主人公で万年『能力値99』の春日理刀、ヒロインで魔界からきた幻術が唯一の取り得のお嬢様のキュート。この2人が中心で、他にキュートの姉妹カカ、スィート、リイザ。同級生の亜威黒媛、亜威百花姉妹。黒媛の親友の美々津巴。キュートに仕える毒舌丸。これらがメイン及びサブキャスト、ってところですね。
・シナリオ
今巻は学園行事の中でキュートの姉、カカが何かの思惑を持って行動する、という感じです。万年能力値99が変わらぬまま、能力値再測定が終わった理刀の前に現れたカカは、理刀を「特別クラス」に編入させる。その先には不思議な少女がいて、その子と交友を深めながら理刀は新クラスでの生活がスタートする。一方キュートは、前巻での事件以来理刀のことが本格的に気になって仕方が無い。そんな気持ちをもてあましたまま、学院での行事として『要請捕獲大会』が行われる。文字通り逃げる妖精を捕まえるこの行事に、妖精が恋の願いを叶えてくれるらしいと言う情報を聞いて、キュート、スィート、巴、黒媛がそれぞれ情熱を燃やし火花を散らし始める。その結末は?といったところで。
・感想
話が動き出しながらも、今巻では全容が見えないので何とも言い難い、というところですかね。
カカが何か企んでいるのもわかりますし、それに理刀が巻き込まれている。或いは利用されているのもわかるのですが、理刀を利用してキュートを利用してササラを復活或いは活性化?させたかったとも見えますが、結局それだけして何がカカの最終的な目的なのかわからない、と。その分が少し消化不良気味でしたでしょうか。
しかしながらキュートを始めとした女性陣の妖精捕獲行事は、それぞれの特色とか魅力が出ていてテンポよく読めました。
この巻は事態が起きる巻ということで、結末がついていないのが難点ですね。学院での行事を通じてのキュートたち女性陣の魅力の一端が書かれていますが、物語というか話の末は次巻に持ち越しですので。
ですがドタバタ感は強く、楽しいイメージの強い巻ではありましたのでプロローグとしては良い出来だといえるのではないでしょうか。5巻でプロローグということも無いのでしょうが、そういったイメージを感じた、ということで。