スイートホームスイート2

スイートホームスイート2 ウインナ・ワルツは憂鬱の調べ

著者・佐々原史緒先生。挿絵・カヅキレン先生による、欧州を舞台にしたちょっとばかりオカルトなんかが混じったりする微オカルティック・ファンタジック・ホームコメディですね。
・登場人物
主人公に戸丸一彦。ヒロインとして一彦と歳の変わらない若さの曾祖父の後妻であるアデライーデ・フォン・フリューゲルト。それからサブキャラとしてお手伝い小人なブラウニーのピコリー、レーゲンシュヴァンツの監督役神父のミヒャエル・ワルダー、巨漢の使用人で実は犬の化生のフリート、サブではある意味唯一人間な執事ハンス、吸血鬼美女イリーヤなどが登場します。
・シナリオ
レーゲンシュヴァンツで生活する事を決めた戸丸一彦改めカズヒコ・トマル・フォン・フリューゲルト。ありえない展開から始まったヨーロッパの一地方での次期当主としての生活をしつつ小間使い?と思ってしまうような曾祖母アデルからの扱いにようやく慣れてきたある日、アデルから新たに難題を言いつけられる。今度の試練は『社交界』!燕尾服を着込み、ウィンナ・ワルツで社交界デビュー!?一彦にそうするように言うアデルの真意とは如何に?そうする間に出会った謎の美少女吸血鬼・リリアナが一彦に近づいてくるその目的とは? といった所で。
・感想
この巻は世間馴れしていない一彦が色んな人の姦計に嵌ってしまい、色々と苦労するのがメインな話の流れでしょうか。政略結婚させられそうになったり、親切にした少女から、まぁ、恩を仇で返されるような展開になったりとなかなか報われない一彦が見られました。それでも最後は自分の不始末のために体を張ったり策を練ったり、危うく危険な状態になったアデルを引き戻したりと、主人公らしく浮き沈みの激しい行動をしていました。
それとはまた別に、吸血鬼美女イリーヤの過去の話と、彼女関係のイザコザ。この巻のサブタイトルでもある「ウインナ・ワルツは憂鬱の調べ」の通り、イリーヤが一彦の曾祖父との思い出を思い出してしんみりしていたりして、キャラクターとしての掘り下げなどが行われていました。
そういったすべてが一彦がらみでまたややこしい話になりつつも、最後にはそれなりに丸く…収まらずに次巻へ続く、で締められているので「おーいっ!?」なラストの展開は急展開だなぁ、と思わされました。