風の聖痕RPGリプレイ1

風の聖痕RPGリプレイ 深淵の水龍

小説「風の聖痕」を、TRPGで遊べるようにしたシステムでのリプレイを収録している作品ですね。著者は三輪清宗先生。挿絵はカバーイラストだけ原作者である山門敬弘先生の原作小説と同じイラストレーター兼漫画家の納都花丸先生で、作中ではみかきみかこ先生です。
内容は、「風の聖痕」で出てくる学校の聖陵学園にゴーストバスターズクラブを設立して、その活動をTRPGでプレイしているというもの。
プレイヤーが操るプレイヤーキャラクター(以下PC)は、PC1で炎術師の「神凪燎」、PC2で風術師の「風巻美琴」、PC3で銃が大好きなトリガーハッピーっぽい「蓮華院かれん」の3人がメインで進んでいきます。ちなみにプレイヤー名は明かされていませんでした。これに、原作「風の聖痕」に出てくるヒロインである神凪綾乃やらその父の重吾やら友人の篠宮由香里などが出てきて、プレイヤーたちに事件を持ち込んだりしてシナリオが進んでいく、という形です。
基本的には普通のTRPGです。まだまだTRPGシステムとしては新作である「風の聖痕RPG」が使われているだけに、あまり奇をてらったシナリオ運びやプレイングはされていない、という印象ですかね。
この「風の聖痕RPG」を作ったのがF.E.A.R.社だけに、リプレイを読んでいる感じ、システム的な似かよりとしてDXシリーズなんかがイメージとして近いかもしれません。場面場面として、シナリオに区切りを入れたりしている辺りにそんな似ている部分を感じますね。ただし、それは別に悪いとかじゃなくて、逆にDXシリーズなどを知っている人にとってはその応用で遊べると言うか。イメージを掴みやすい作用をするんじゃないでしょうか。
総評して、このリプレイはまぁ新規参入TRPGである「風の聖痕RPG」の入門編のリプレイ、といったところでしょうか。
原作でのイザコザに端を発するPCたちの背景などを上手く取り入れながら、駆け出し退魔師たちの学園ゴーストバスター部活動。そして最後に相手をするのは美琴=ヒロインの背景に関わる敵…そういった、王道的な展開で極端なひねりなどは無いながらも楽しめるのではないでしょうか。