まじしゃんず・あかでみぃ1

まじしゃんず・あかでみぃ1 女神降臨!?

著者・榊一郎先生。挿絵・BLADE先生によるファミ通文庫で今、色々と推されている作品ですね。ゲーム化もされて人気があるみたいで、増刷掛かって書店で平積みされていたので1巻だけ取り合えずで買ってきました。挿絵の可愛らしさが私好みなのと著者がポリフォニカシリーズなどの榊先生ってことで、余裕が出来たら続きも購入するつもりです。
普段は平凡な一学生の主人公・羽瀬川拓人は、実は魔法の素質を持ち普通の高校生として生活しながら人知れず魔法を学ぶ為の学園<マジシャンズ・アカデミィ>にも在籍する、魔法使いの卵。そう、この世界には魔法があり、魔族や神様といった超常の存在もあるそんな世界。
そんな世界で主人公である拓人を中心に、拓人の従兄妹で特殊な体質を持つために二重人格であり、その特殊な体質もあって学園に半監視を受けながら在籍する羽瀬川鈴穂、学園の臨時講師であり、拓人や鈴穂を何かと面倒見てくれる佐久間榮太郎、そしてこの第1巻で登場する、物語を始める為のキーパーソン、謎の美少女・タナロットなどを交えて話が広がっていきます。
物語のキーパーソンと書いたタナロット。彼女を拓人が召喚術の実技で誤召喚してしまい、潜在能力の高さと召喚の際に生じた不安定さから神様に属するのか魔族に属するのかわからないタナロットは、召喚主である拓人ともども学園からの監視を受ける事になり、結果、拓人とタナロットは同棲生活をする事になる。見た目美少女のタナロットは、召喚の際に様々な不都合からとても無邪気で拓人に忠実で、拓人を戸惑わせる。そんな様子に拓人を案じる鈴穂は、嫉妬もあってタナロットに勝負を挑む。魔族、神族などから色々なしがらみを抱えている学園として、勝負は後腐れが無いように観衆の元で公平にルールに乗っ取った戦いとなるが、その影では何者かが暗躍しており――― と、こんな感じでしょうか。
この巻は最初ってことで、色々と暗躍する人がいたり、タナロットの出自や拓人の過去についてなど、謎などが多く、それらは解明されていません。ぶっちゃけて言うと今後の展開で明かす気マンマンだな、と感じられる放り投げっぷりで。「何かある」程度にしかわからないようになっていますね。ですが、全体の話としてはその辺りは無視できるレベルです。
今巻の話はあくまで「タナロットVS鈴穂。〜拓人を挟んで戦う女2人〜」って感じで、典型的な学園ファンタジーブコメにバトル要素を足した作品。となってますね。最後も後腐れなく少年漫画的展開ですっきり終わって、そこからまた続いていく結局解決していない問題と日常。拓人の女難の日々は始まったばかり〜みたいに終わっていますので締めもそつなく。
総評して、「学園ファンタジーブコメディはまだはじまったばかりだ!」みたいなもんでしょうか。
初期の世界観の紹介や設定紹介などがスルっと理解できれば、普通のボーイ・ミーツ・ガールストーリーから始まるコメディ作品として楽しめ、残りの刊行分でシリアスが期待できと二重に楽しめるのではないでしょうかー。