バカとテストと召還獣2

バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫)

バカとテストと召還獣2

著者・井上堅二先生。挿絵・葉賀ユイ先生による学園ギャグコメディバトルもの、でしょうかね。
『試験召喚』制度という特異なカリキュラムを導入している文月学園において、今回は召喚した召還獣を使っての生徒同士による成績対戦や普通の出し物などで開催される学園祭で、主人公・吉井明久とその所属する学年最下位クラスであるFクラスの面々が繰り広げるドタバタとした学園祭模様が今回の舞台かと。
前巻において成り上がりに敗北し、以前以上に貧しい設備での学園生活を余儀なくされている明久たち。その状態を聞きつけたクラスメイトの姫路瑞希の父が娘に転校を勧めている事が発覚し、憧れの瑞希との別れの危機に明久は再度発奮する。学園祭での出し物の売上でクラスの設備の一新を図り、学園祭で同時に行われる召喚大会で優勝し実績を作って瑞希の転校を断固阻止するべく動き出す明久たち。果たして出し物は成功するのか?召喚大会の行方は?そして瑞希の転校を阻止できるか―――? といったところが今巻になるかと。
一巻に続いて、章の区切りごとにあるバカテストが開かれています。今回は1巻ほどの斬新さやインパクトが無いためか、前より大人し目に感じましたが、それでも発想が独特で十分に面白くはありました。
今巻で私が一番その行動に面白みを感じたのは、前巻で最終ボスみたいな扱いで出ていた霧島翔子でしょうか。前巻のラストで、Fクラスのリーダー・坂本雄二に惚れていて思い込んだら一途な姿を見せていた霧島翔子。今巻では、その一途さが「バカとテストと召還獣」においては十分にギャグになることを見せてくれていました。メイド喫茶で働く姿はまだしもですが、その際の応対で雄二相手だけ超ストレートな求愛だったり、召喚大会で明久&雄二組に当たった時にはあっさり勝敗を譲ったりと、その姿は真面目なだけに「バカとテストと召還獣」では「馬鹿ばかりの中では真面目は浮く」見たいな形になっていて印象的になるという現象が起きていたわけです。(笑
主人公の明久も、その行動はズバ抜けて輝いていました。相変わらずの鈍さですし、召喚大会において数多の強敵を相手することになったりしつつもウルトラ卑怯な策謀で切り抜けたりしていましたし、メイド服を着たりと。(ぉ それでも主人公としての魅力が他のキャラクターたちよりずば抜けているのは、ひとえにその愛されるべき馬鹿っぷりゆえ、でしょうかね。(笑
そうしながらも学園のため、姫路瑞希の為、学園長と取引をしたりするシーンがあったりして何気にシリアス分もあったりして、一冊で何度もおいしいのがこの「バカとテストと召還獣」シリーズといえるでしょう。
総評して、今巻は「学園祭での馬鹿騒動」の巻かと。
姫路瑞希転校の危機に、明久たちが奮起して学園祭に取り組み、その結果学園存続に関するとあることにも関わることになる。という一見シリアスですが中身が明久たちFクラスなので、シリアスよりもコメディが強く結果的に馬鹿騒動みたいな形になる。が、決めるところはキッチリ決めて格好良いシーンもあり、といった形になっています。
―――好きな人のためなら、頑張れる。その言葉に燃える少年の意地を通す姿を見られると思います。笑いも忘れてないけどね?(笑