七人の武器屋3

七人の武器屋3 天下一武器屋祭りからの招待状!

著者・大楽絢太先生。挿絵・今野隼史先生のドタバタ武器屋経営小説のシリーズ第3作目。
この巻はこの巻で終わっていますが、話の流れとしては次の第4巻と合わせての上下巻構成かと。
記録的な大雪に見舞われたフランの街。はしゃぐマーガスなど、それぞれの態度で大雪に向き合うエクス・ガリバーの面々だったが、はしゃいでいる場合ではない事態が発生する。大雪でエクス・ガリバーの建物自体が倒壊してしまったのだ!
突然の事態に呆然とするマーガスたち七人の武器屋。
だがそこに、第1巻で登場しエクス・ガリバーを名を周囲に知らしめることになった最初の客、英雄ロト・セブンから手紙が届く。その内容は北の都市・デルガドで開催される「天下一武器屋祭り」に、ロト・セブンの推薦枠から出場して欲しいと言うもの。賞金は1000万フラン。それだけあればエクス・ガリバーを再建できる!渡りに船と、七人の武器屋は一路デルガドへ向かう事を決める。目標は天下一武器屋祭での優勝…果たして彼らは、無事にエクス・ガリバーを再建できるのか!? といったところで。
この巻は、その天下一武器屋祭の為にフランを出て、トトレインの町からデルカドへ向かい、紆余曲折あってからデルカドに到着するまでが書かれています。上下巻として、下巻が天下一武器屋祭での大会内容を書いているとしたら、こちらの上巻は天下一武器屋祭に参加するためのきっかけと参加会場に行くまでのドタバタが書かれている、ということですね。
列車内でのマーガスやケンジのはしゃぎ様や、襲い掛かってくるドラゴン・プテラの群れとの戦い。ミニィの前回優勝武器屋チームの情報を聞いてからの態度の変化。列車を降りる事になってからの仲間内での揉め事や、歩きでデルカドを目指す面子の苦労など、展開は二転三転してなかなか読み応えはありました。
個人的には、マーガス、ジャン、ドノヴァンだけになって徒歩でブラッド・キャニオンを越える事になった時、足であるドラグルー代を稼ぐ為にマーガスがドラゴンと戦士の戦いの中に飛び込んでいって武器を売ろうとするシーンが、決死の最中での売買と言う事でマーガスも戦士も必死に交渉していたのが面白かったですね。
総評してこの巻は、「七人の武器屋の初めての旅」の巻。
新たな困難に、仲間たちが協力して1つの成功に向かって挑戦すると言う形式は第1作・第2作と変わっていませんが、ノリと勢いで大きな困難の前の小さな困難を、少しづつ乗り越えていき、いざ、最終目標に向けてのスタートラインに立った…そういったところで続いている感じですね。
なので、この巻は次の第4作目である「七人の武器屋4 激突!武器屋VS武器屋!!」と合わせて一気に読んでもらいたい巻でしたね。