灼眼のシャナ14

灼眼のシャナ〈14〉 (電撃文庫)

灼眼のシャナ〈14〉 (電撃文庫)

灼眼のシャナ14

電撃文庫の今や看板シリーズの1つ、灼眼のシャナシリーズの、正統ストーリー編の第14巻です。
正統ストーリー編というのは、このシリーズ、番外編のように過去の話が入ったり短編集などが出たりするのでその辺と区別する意味も込めてそんな名称をつけてみました。
で、今回の話は古参フレイムヘイズでありシャナの養育係でもあった<"万条の仕手"、ヴィルヘルミナ・カルメル>の宿敵とも言える、<紅世の従、"壊刃"サブラク>とシャナたちとの戦闘が遂に起きるといった感じで。これまで名前は出ていても登場はしなかった強敵が満を持して登場。そして同時に転機。
最後にはそうなるのかー、どうするのかねシャナはー、と思うようなラストが待ってます。
ストーリーは、クリスマス・イブ直前から。シャナと吉田一美、ふたりからついにどちらかを選んで欲しい、別々の場所で待つから選んだ方の場所へと来て欲しい、と言われた主人公こと坂井悠二。改めて自分の気持ちと向き合い結論を出そうとする悠二だったが、その最中、<紅世の従の捜索猟兵、"聚散の丁”ザロービ>と出くわす。捜索猟兵は巡回士と常に組んで行動している事からザロービ以外の危険を考えた悠二は、その心中では様々な可能性を考慮しては解決策を見出し続けながらザロービに黙々と従う。だが、ザロービと<巡回士、"咆考牙"ビフロンス>の両名の目論見を看破した直後、悠二は独力でザロービを討滅してみせる。また、遅れて駆けつけるシャナやヴィルヘルミナによりビフロンスも討滅される。だが、悠二の成長に喜びを見せる間もなく今度はザロービたちを囮にした張本人、"壊刃"サブラクが襲撃をかけてくる。察知できない先制攻撃を受けて重傷を負うシャナ、マージョリー。辛うじて過去の経験から即座に対応策を取れたヴィルヘルミナだけが重傷を免れるも、やはり傷は負う。そうして始まる因縁の対決。
"壊刃"サブラク VS "万条の仕手"ヴィルヘルミナ・カルメル
悠二はサブラクの秘密を見抜けるか。傷を負ったシャナとマージョリーは無事なのか。因縁の相手にヴィルヘルミナは勝利できるか――― と、言った感じですかね。
ここに書いた以外にも、吉田一美と池速人との関係にも進展があったり、「マージョリーの子分」、佐藤と田中にもそれぞれ話があったりと色々と動きのある巻です。そして最後にはかつてない動きが―――
総評して、今回はついに最終章に向けてシャナシリーズも動き出した、と言う感じですね。
シャナと悠二と一美との三角関係への決着に向けた動き。
知恵と、得た力を使いこなす事を知り始めたことによる、悠二の初の単独での紅世の従の討滅。
一美の揺れる心と、池の決意。
悠二を認め始めたヴィルヘルミナ。本当に子分たちのことを考え、言葉を示すようになったマージョリー
そして最後にある大展開………。最終章第1楽章に相応しい、怒涛の動きと展開でした。今後の巻にますます期待感が膨れ上がりますね。