リバーシブル1

リバーシブル 1.黒の兵士 (角川スニーカー文庫)

リバーシブル 1.黒の兵士 (角川スニーカー文庫)

リバーシブル1

2006年にスニーカー文庫から出た新作家による新シリーズ作品で、現実的な世界観の中に近未来的な道具を交えた話がメインです。
<調停者>と呼ばれる、頭部に装着するHMD(ヘッドマウントディスプレイ)タイプの携帯型PCの試作品を父親から預かった主人公の『香久山 樹』は、その同系機を仲間たちと使ってアンダーグラウンドなゲーム『マスケラ』を遊んで楽しんでいた。『マスケラ』は、仮想の空間でアンドロイドを扱いシティを破壊するというミッションをこなしていくもの。悪趣味だが、その内容がとてもリアルで樹たちはそれに完全にのめり込んでいた。
そのマスケラでトップの成績を記録していた樹たちのグループだったが、ある日、メンバーの1人の相馬が消える。樹は、仲間である伊緒、和美、玲子、真二、桐也たちと相馬を探し始めるが、その先々には謎の男が現れる。さらに仮想の存在でしかなかった筈のアンドロイドが現実にも現れ…
近未来風サイバーアクションと言えばよいのでしょうかね?仮想空間でアンドロイドとしてシティを攻めることもしつつ、現実でも相馬を探してアクションをする、と。<調停者>の性能と能力が群を抜いていて細かなところで便利ですが、いわゆるサイボーグ009の003・フランソワーズの超聴覚とか超視力が得られるという感じで、体力的な強化が無いので荒事の時には丁度良いバランスになっています。
総評して、アンドロイド<ノワール>や携帯PC<調停者>、仮想ゲーム<マスケラ>などの近未来要素を交えつつアクションをしているので、良い感じに緊迫感がありますね。
この第1巻では明かされない謎もあり、謎を分散させていて今後の為の布石もありますので出来るなら連続して第2巻も読みたいところですね。