ドラゴンクライシス!

ドラゴンクライシス! 真紅の少女

この作品を一言で言い表すならこうなる。即ち「美少女に一目惚れされた高校生男子の話」。こう書くとエロ本の話のようだ…(笑
作品世界は『遺物<プレシャス>』と呼ばれ、ある特定の人間<遺物使い>だけが使用できる、遺物に割り振られたランクに応じた超常現象が起こせたりする不思議物が世界にあり、それらを狙って活動する闇の組織があったり世界的な保護団体があったりする、そんな世界です。どこの轟々戦隊ボウケンジャーだ?(笑
登場人物は世界的に遺物関連で有名な両親を持ち自身も不安定で常にどんな遺物でも使えると言うわけではないが、最高位のランク10に分類されている<遺物使い>である如月竜司。そしてヒロインであり、<遺物>最高位であるランクSの存在である『レッド・ドラゴン』でもある少女のローズ。これに竜司のハトコの七尾英理子や世界遺物保護協会の人間や闇組織として「ファング」の構成員などが出てきます。
ストーリーは、ファングの違法取引現場に無理矢理手伝わされて忍び込んだ竜司と手伝わせた張本人の英理子の2人。まんまとファングを出し抜いた2人は、その取引材料であったコンテナを盗み出してくるが、開けてみればその中にいたのは美少女…ローズだった。ローズは竜司にだけ懐き片時も離れようとしない。そんなローズがドラゴンであることを知り、英理子は納得するが世界遺物保管協会に届けないわけにはいかないという竜司の言葉に、世界遺物保管教会に連絡を取る。そしてやってくる世界遺物保管協会の研究者たち。だがそこに、ローズの居場所を突き止めたファングもやってきて…と。
状況は二転三転としますが、最後は竜司たち対ファングとなり、そこを竜司とローズとで撃破するのが今巻での一連の流れになります。
竜司とローズの信頼関係が確固たるモノになるために、竜司はローズに、ローズは竜司にとそれぞれ恥ずかしいセリフを大声で宣言する事になります。そのくだりはつい頬が緩んでしまうようなやり取りで(笑
総評して、登場人物たちの魅力…可愛らしさやいじらしさ、決断力や年相応の悩み、そういったものがこの作品のキモだと思えましたね。
ローズの、一人の相手を10年思い続けた恋心とその為になら安全な場所からでも飛び出す行動力。そして竜司の安全を思えばこその行動。ドラゴンと言われても人間と変わらない、その若い女性としての一途な姿は応援したくなります。
また、竜司の今時の作風には珍しいんじゃないですかね?必要な時には即座に決断できる主人公の姿が新鮮でした。
全力激闘ハートフル。そんな物語を読みたい方には良いのではないでしょうか?(笑