劇場版 AtoZ 運命のガイアメモリ

さて劇場版です!
平成ライダーシリーズの劇場版は、分類すると2種類に分かれると私は考えております。それは『本編のIFの物語(龍騎劇場版の「ありえたかもしれない最終回」や、剣劇場版、555劇場版やカブト劇場版の「可能性の未来」)』と、TVでは放送されないストーリーとストーリーの間に隠れている『本編で語られない物語(ディケイドやW劇場版の前作である『MOVIE大戦2010』や、アギト劇場版の『ProjectG4』、キバや電王&超電王シリーズなど)』に、分類できると考えています。
で、このAtoZ〜は、作品としては後者です。
TVでは語られていないT2ガイアメモリという新メモリを主軸にして物語が展開し、そこにフィリップの母(家族)を求める気持ちや、翔太郎の成長譚、竜と亜樹子の淡いラブストーリー的なもの、敵役側のバックグラウンドの物語などが入ってくる、というものです。
では、以下は若干ネタバレもあるので黒字反転文字でー(^^

ストーリーに関してはまだ見ていない人も多いでしょうから語りませんが、出てくるキャラクターたちは既存も新キャラもどちらにも見せ場があって、1時間半ほどの上映時間があっという間でした。
既存キャラ―――特にTV版で脇役だったキャラたちがまた出番が多い。ウォッチャマンやサンタちゃん、エリザベスとクイーンなど、おなじみの風都の脇役たち全員に見せ場があります。劇場版でここまでサブキャラがフィーチャーされて、その上でストーリー的に無理がないとか脚本家の三条陸氏は半端無いですね。
敵役もまた味のあるキャラが多過ぎです。良い意味で。特に個人的にはルナ・ドーパントとなるオカマキャラと、メタル・ドーパントになるマッチョキャラがツボでした。キャラクター的にああいうのは好きだ…。(笑 しかもメモリの特性とそれぞれのキャラの動きとかがやたらとマッチしていて、「メモリと所有するべき者は惹かれあう」という発言があったのですが思い切り納得してしまいました。(笑
そして私の一番の注目どころ。仮面ライダージョーカー!
翔太郎が単独で変身する―――というのは前情報にありましたが、どういった経緯で?どうやって?というのが謎になっていてそこを知るために公開初日に劇場まで見に行った、と言っても過言ではありません。前情報だけで推測していたのは「フィリップと何らかの理由でリンクできないダブルドライバーに、元から持っているジョーカーのガイアメモリとどうやってか手に入れたT2ガイアメモリのジョーカーメモリを挿して『J/J』として仮面ライダージョーカーに変身」するのかと考えていたのですが、半分正解で半分ハズレでした。どういうことなのかは、劇場まで見に行った人だけが知っている、ということでw ただ、仮面ライダージョーカーの活躍にはwktkが止まらない!でした。ライダーキック、ライダーパンチをそれぞれマキシマムドライブで使うのですが、その演出がまた…!もう!演出さんわかってる!ライダー好きの心を擽る方法をよくわかってる!!
さて、良かった、楽しかった点を列挙してきましたが、それだけでは画一的過ぎる視点かと思うので、悪い点も。
基本的なところで重箱の隅をつつくようですが、劇中に出てくる拳銃。ゲストキャラが登場当初に連続で撃ちまくるんです。が、ハンドガンで、どう見ても30発以上を連続。途中から気になって大体の当たりだけつけて数えてみたんですが…やはり30発以上は確実…。リロードしている様子は無かったのでリロード無しの装填分のみで。…その銃は一体何発の弾丸が装填されているんだ!(笑
仮面ライダージョーカー登場の前振りでも、仮面ライダースカル=鳴海壮吉の幻影?らしきものとか出るんですが、幻影かと思ったらその場にあるアイテムを残していってそれが実物だったりして。実物がある=実体がある=生きてる!?え、鳴海壮吉=仮面ライダースカルって生きているの!?と思いながらも、本編的に死んでるのは確実っぽいのでありえないと思ったりで、演出的に無理があるんじゃ…?と思ったりも。
それからゲスト登場の次期ライダー、『仮面ライダーオーズ』。ゲスト登場とはいえ、登場が唐突過ぎます…何の前振りも無く何故かNEVER占領下となっているはずの風都タワーに登場し、「コインを拾ってもらったお礼」にWの代わりにNEVERのドーパントと戦ってあげるとか、ちょと登場が強引過ぎませんかねぇ…?まだしもディケイドが登場する方が、オーロラでの世界移動という能力があるだけ不自然さが無かったかも、と思います。
そしてやっぱり最後はWがエクストリームになってさらに劇場限定と思しき新フォーム登場でエターナルをぶっとばしてしまうんですが。その新フォーム登場の経緯も、Wのピンチに亜樹子が祈ったら発現!というもの。もう少しひねっても良かったんじゃ…子供向け番組が基礎とはいえ『ピンチ→祈る→奇蹟!』とかちょっと単純すぎる気が。
そんなこんなでツラツラと書き綴ってきました『劇場版 仮面ライダーW AtoZ 運命のガイアメモリ』感想。チラホラ設定的に矛盾するところなどがあり目に付く点もありますが、全体的には良い出来ではないかと。話自体には引き込まれる面白さがありますし、アクションなども多くて勢いもあります。
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