GJ部

GJ部(グッジョぶ) (ガガガ文庫)

GJ部(グッジョぶ) (ガガガ文庫)

GJ部(グッジョ部)

著者・新木伸先生。挿絵・あるや先生。著者の新木先生はファミ通文庫で「明るい家族砲計画っ!」シリーズなどを手がけておられる、SF作家先生ですね。挿絵のあるや先生は画像投稿サイトの「Pixiv」で活動などをされていたイラストレーターの先生です。
・シナリオ
いつもの放課後、いつもの昼休み。
高校生の僕、四ノ宮京夜が過ごすのは、個性的な四人の彼女たちとの、ゆるふわな時間。
今日もいつもどおりです……。生徒総数千人を超えるマンモス高校、
その木造旧校舎の一室にある正体不明の部、GJ部に強制的に入部させられた四ノ宮京夜。
そこで彼が出会ったのは……背は低いが態度は大きい部長の真央、ゲームの天才で大人っぽい女性の紫音、
のんびりマイペースなGJ部の世話焼き係恵、いつも腹ぺこ不思議な綺羅々……!
ライトノベル史上初の萌え四コマ的小説登場!?ショートストーリー36話収録! (Amazon商品紹介ページより抜粋。)
・感想
基本的に2〜4ページほどで1話としたものを集めた短編の作品群です。あとがきによると全36話となっていますが、2ページや4ページで1話なのを5回くらい繰り返したりしている(○○編1とか、○○編5、とかみたいに。)ので、厳密には扱っている話題はもう少し少なくなるかと。
何処から読んでも大体の話の内容はわかる、というもので高校生の日々の生活の一部をすっぱ抜いて綴られるイマドキの日常系ノベルですね。ぶっちゃけて言ってしまうと、「生徒会の一存」みたいな感じです。あれよりずっと短編中心の作品ですが。
登場人物も前述のものに似ている感があります。小さいけど凶暴で周りを引っ張る部長、天才ゲーマーでクールな知的美女先輩、部長の妹で天然癒しオーラ装備、常時肉食のカタコト野生美人、この4人+主人公扱いの一般人キョロ。登場人物はほぼこの5人だけです。
内容、登場人物の数、物語展開などどうしても既に既出の「生徒会の一存」があるだけにそちらと比べてしまいますが、読み易さ、という点ではこちらの圧勝でしょうね。一話一話が短いのもさることながら、この作品には本当に「裏」も「表」もありません。本当にほのぼのとした日常生活だけが描かれていきます。ちょっと変わった人物たちが集まったGJ部…その生活を垣間見る。それがこの作品です。裏で誰かが画策しているとか、どろどろの人間模様とかもありません。普通に仲の良い奴らが集まって、普通に放課後、駄弁っている…そんな様子を見られるだけです。
それをつまらないとするか、そんな様子を見ているのが楽しいと感じるかは人それぞれでしょう。でも私、個人としては緩やかながら楽しい空気を感じられた…そう思えた作品でした。