アクセル・ワールド4

アクセル・ワールド〈4〉蒼空への飛翔 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈4〉蒼空への飛翔 (電撃文庫)

アクセル・ワールド4 蒼空への飛翔

著者・川原礫先生。挿絵・HIMA先生。第15回電撃小説大賞『大賞』受賞作品のシリーズ第4作目、ですね。
・シナリオ
日常で“ブレイン・バースト”を巧みに使いこなし、中学内格差の頂点に君臨する謎の新入生・能美征二。ハルユキは、能美の狡猾な策略によって自身の“翼”を奪われ、完全敗北を喫した。―しかし、ハルユキは、再び立ち上がる…。 (Amazon商品紹介ページより抜粋。)
・感想
この巻は前巻の続きで、翼を失ったシルバー・クロウこと有田春雪が、アビリティで翼を奪った相手―――ダスク・テイカーこと能美征二を相手に知略戦や加速対戦を繰り広げる、その後編になります。
前回は、驚きの結果―――新しくバーストリンカーになったばかりの幼馴染、チユリのアバター、ライム・ベルがシルバー・クロウ、シアン・パイルと戦っていた能美のアバターで敵のダスク・テイカーを何故か治癒してしまった!というところで続く、となっていたそのまさに続きから本編は始まります。
いやぁ、今回も二転三転する戦闘がワクワクを加速させてくれていましたね。押したと思えば押され、押されたと思えば巻き返しと、戦況が次々と変わる加速感は秀逸です。また、チユリ=ライム・ベルが前巻のラストで取った裏切りとも思える行為。その意図も、伏線を拾い見てみればなるほど納得、と思えるもので。
ただ1つ言わせてもらえば、心意システムに次いで今巻でも新登場のシステム「BIC」。出来れば前巻の時点で伏線が欲しかった感じです。それっぽいことを匂わせていた能美の発言が伏線といえば伏線かもですが、あまりにわかりづらい&名称に関してはわかるわけない。なので突然出てきた新設定感が拭えません。そこがなんとかなっていたら、と思いました。
でも、話自体は面白かった&爽快です。黒雪姫のハルユキに対する愛情の深さとか、ハルユキ、タクム、チユリの3人の友情とか、能美が「もしかしたら歩めていたかもしれない道」を思うと切なくなったりとか、赤のレギオンの面子もニコ以外が出てきて今後の話のふくらみもあって次への期待が膨れ上がったりとか、スカイ・レイカーと黒雪姫とがリアルで再会できたりとか、楽しめるところ満載でした。
次巻のアクセル・ワールド5は夏予定。ソードアート・オンラインの次巻も夏、ってことになっていますが電撃Bootlegで順当に行けばSAOは4月となっていましたし、アクセル・ワールド5が6〜8月、ってところでしょうか。どちらにせよ、春の1冊、夏に1冊と四季ごとに1〜2冊、川原礫ワールドが楽しめる、となりそうで楽しみです。