第17話 「さらばNよ/メモリキッズ」

Nを冠する物語の前編。ファングメモリを手に入れるというストーリーの変化を経た最初の話となる、第17話ですね。
ストーリーは、行方不明となった床屋の娘、茜を探してほしいという依頼を受け、人探しの探偵行を始めたところ、茜は中学の仲間たちとプチ家出状態だった。統馬、有一、弥生といった茜の中学の仲間たちは「面白いこと」を優先で考えており、その行為の中にはガイアメモリを使った刹那的な享楽もあった。ガイアメモリによる悪事に憤る翔太郎はWに変身。有一が変身したバードドーパントを罰する。が、そのとき驚くべき行為が。有一はバードのガイアメモリを統馬に渡すと、統馬もバードのガイアメモリを使用してバードドーパントに変身した。一つのメモリを使いまわし…!?と翔太郎が驚く中で統馬は茜を連れて空へと逃げていった。空を逃げるバードドーパントを見送るしかない翔太郎だったが、そのとき背後から苦しげな声が。さっきまでバードドーパントに変身していた有一が、ガイアメモリを挿入していた手を押さえて苦しんでいた。見ればガイアメモリを挿入していた部分は焼け爛れている。フィリップはそれを「ガイアメモリの副作用だ」と診断した。その様子を物陰から見ていた園咲霧彦は、冴子に一部始終を報告。「薄汚い大人たちを犠牲にするのは納得できる。だが、このケースはルール違反だ!」と、風都を愛する霧彦は子供たちが犠牲になりかねない今回の件に憤りを感じていた。一方、再び出現して悪事を働くバードドーパント。ガイアメモリに恐怖を感じた茜の仲間、弥生の証言で事前に情報を得ていた翔太郎は、バードドーパントの襲撃場所に急行し悪事を止めようとする。フィリップも登場し、ファング/ジョーカーと変身したふたりはバードドーパント@統馬を止めるために戦闘を開始する…!という流れ。
冒頭はいきなりナスカ@霧彦さんとの戦闘から。しかしこれは前哨戦で、二人が共に形は違えど風都を愛していることを示すものでした。立場が違えば、間違いなく親友となっていただろう二人の、それでも今は立場の違いから対立する状況…仮面ライダーでこういった人間関係は珍しさを感じます。組織の幹部と仮面ライダーが、心底では同じ信条で戦っているというのは新鮮です。
亜樹子は今回、サブキャラクターとして味の強いサポート、という点から逸脱することなく存在感を出していたのが印象的でした。探偵パートでは翔太郎をサポートして時に茜や弥生の緊張を和らげようとしたり、バトルパートではWに変身したあとの倒れる身体を支えようとして逆側の身体を受け止めにいっちゃったりと、少しトボけた感じながら確かな存在を見せる、味のあるキャラに仕上がってきてますね。
バトルパートでは今回もファング/ジョーカーがラストバトルで活躍。新登場&玩具宣伝の意味もあるんでしょうし、「強さ」という点でも現在は他のメモリの組み合わせより群を抜いている、ということでよく使われるのでしょうけど、ファング/ジョーカーになるとフィリップ側のガイアメモリがファングで固定されるようなので、メモリチェンジでの多彩な戦いが見られないのが少し残念ですね。せめてもっと翔太郎側のガイアメモリだけでもメモリチェンジしてみせてくれれば…と思います。
次回は第18話「さらばNよ/友は風と共に」。