俺の妹がこんなに可愛いわけがない5

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

著者・伏見つかさ先生。挿絵・かんざきひろ先生。
・シナリオ
「先の読めない」ドラマチックコメディ、第5弾!
「じゃあね、兄貴」──別れの言葉を告げ、俺のもとから旅立った桐乃。
……別に寂しくなんかないけどな。
新学期。平穏な高校生活を謳歌する俺のもとに、奇妙な後輩が現れる。
「おはようございます、先輩」俺は、黒猫(クロ)の人間としての真名を知り、より深い「絆」を築いていくことになる。
「妹」と「親友」。ともに大きなものを失った二人は、数多の思想が渦巻く校内で、「魔眼(マガン)遣い」の少女と対峙する。
「稀少能力(レア・アビリティ)」を持つ少女に、俺と黒猫は圧倒され、異空間へと誘(いざな)われ……!!
「日常」と「非日常」が交差するとき、物語は始まる──!!(7&YHP商品紹介ページより抜粋。)
・感想
今巻は妹でヒロインである桐乃が渡米してからの主人公、高坂京介が迎えた新学期の話です。高校3年生となり新しい学期が始まったそこには、京介と桐乃の共通の友人である黒猫が1年生として制服を着て立っていた―――という導入。そんなわけで今巻はヒロインである実妹・桐乃はお休み気味で、大筋は京介と黒猫こと五更瑠璃が中心となる話になります。前巻アンケートで取られた「今後の展開希望」で、「黒猫メインで桐乃も登場」になった様子です。
新登場キャラは黒猫の同級生で、杓子定規の委員長キャラで京介の友人の妹・赤城瀬菜。彼女が恐るべき秘密を持って登場します。その秘密の恐ろしさに京介は戦慄し、黒猫もまた驚愕していました。今巻最大の衝撃は間違いなく彼女の秘密です。
ストーリーは黒猫の新生活に関して京介がおせっかいを焼くもの。「桐乃の人生相談」で進んでいた物語の代わりに「黒猫の新生活手助け」という展開方法でストーリーが進む、ということですね。そしてその展開方法が物語内における京介と黒猫の関係に関するちょっとしたキーともなっていて、読み応えがありました。
メインとしての話は黒猫ですが、最後には桐乃も登場します。が、桐乃の話に関しては少し駆け足気味な印象があります。次の6巻を丸々使っても良かったんじゃないかな、と。ですが今巻で桐乃の話をひと段落させたということは、次巻以降で桐乃が活躍する何かがあるのだろうと推測して先の展開に期待ですー。