文芸部発マイソロジー2

文芸部発マイソロジー (2) (一迅社文庫)

文芸部発マイソロジー (2) (一迅社文庫)

文芸部発マイソロジー

著者・早矢塚かつや先生。挿絵・きくらげ先生。早矢塚先生はMF文庫Jで「悠久展望台のカイ」「死神ナッツと絶交デイズ」などを出されています。
・登場人物
主人公は異世界クラフティアでは光と火の神・ヴィガシュダルヌとなる、文芸部所属の普通の高校2年生だった近藤寛二。異世界クラフティアでは大地と闇の女神・ギアとなる寛二の後輩で、クラフティアのことに他の面々を巻き込んだ高校1年生の須弥伊緒。異世界クラフティアでは空と風の女神・ハストゥ=ルルとなる高校3年生でクトゥルフ神話マニアの愛倉葉月。異世界クラフティアでは海と水の女神・水那乙姫命となる、高校1年生でボクっ娘の諏訪命。異世界クラフティアにあるゴシの村に住み、ヴィガシュダルヌを信奉する巫女として暮らしていたが前巻での出来事で異世界クラフティアの月と死を司る女神として転生したアマヨリこと雨夜毘売、現実世界での名は雨宮こより。
今巻の端役は北欧神話インド神話クトゥルフ神話からも少し。北欧神話は隻腕の剣士テュール。黄昏を告げる角笛の拭き手ヘイムダルアースガルドの守護神トール。トリックスターにして黄昏を招く者ロキ。アース神族の主神にして聖槍グングニルを持つオーディンインド神話は破壊神シヴァ、クトゥルフ神話からは無貌の神にして這いよる混沌の二つ名を持つニャルラトテップ、峡谷に巣を張る蜘蛛神アトラック=ナチャなどなど。
・シナリオ
「邪眼ノート」の力によって創造してしまった神話世界「クラフティア」に一時の平和をもたらした寛二たち。さらに、寛二のクラスにアマヨリと思しき転校生がやってきたことで、強力なライバル出現かと穏やかでない伊緒。しかしそんな平穏もつかの間、何を企んでいるのか分からないクトゥルフ神話トリックスター・ニャルラトテップが登場したことにより、北欧神話の世界に危機が迫る—。絶好調の神話ごちゃまぜストーリー、2巻が登場。
・感想
創作神話青春物語の第2巻。今巻は北欧神話インド神話テイストです。
今回は現実の世界での話よりも、異世界―――これは前巻とは違いクラフティアだけに限らず、今回の舞台とされているアースガルドや最果てと呼ばれる世界も含む―――などでの話が中心です。
今回は第2文芸部の面々4人のクラフティア神パーティは、バラバラになって行動しています。近藤寛二@ヴィガシュダルヌ&諏訪命@水那乙姫命、須弥伊緒@ギア、ハストゥ=ルル@愛倉葉月&雨夜毘売@雨宮こより、というように分かれてそれぞれが行動します。
うち、寛二&命はインド神話の破壊神シヴァと、伊緒は北欧神話のトールと、葉月&こよりはクトゥルフ神話のアトラック=ナチャと戦う、というようにそれぞれがそれぞれ、別々の神々と戦いそれぞれに成長します。中でも一番盛り上がるのは、やはり主人公ということでヴィガシュダルヌとシヴァとの戦いですね。シヴァとの戦いにおいてヴィガシュダルヌという創作された神がどういう意図で生み出されたのか、創作された神が世界的に有名な神々と肩を並べられるのは何故か、というこの作品で気になるところが色々と説明されたりします。