第２２話「ディエンド指名手配」

９つの世界を巡り、さらにネガの世界を越えてまだまだ他の世界がある、ということを理解した士がやってくる新しい世界「海東大樹の世界」、その前編ですね。
どうやら「劇場版　仮面ライダー剣・ＭＩＳＳＩＮＧ　ＡＣＥ」の世界がベースになっているようで。人工アンデッドの封印カードで変身する新生代ライダーと呼ばれていた仮面ライダーランス、ラルク、グレイブといった面々や、量産型アンデッドモンスターのローチとか劇場版最後の敵であったフォーティーンとかが出ていました。
「海東大樹の世界」の異常さとは、フォーティーンによるローチをつかった世界的ルールの強要、というものですか。誰かに親切にすることを強要され、それを破れば人格改造をされる―――というもの。この世界ではそれに異を唱える者が仮面ライダーとなり、レジスタンス活動をしているという。「海東大樹の世界」は一見普通の世界に見えるが実はディストピア・ワールドなわけですね。
とりあえず思ったのは食事シーンが冒頭で出てくる＝井上敏樹の脚本だ、という実感でした。もう仮面ライダーで食事するシーンが出ると、井上先生の脚本なのか？という連想しか浮かんできません。しかしそれにしても今回の食事シーンは微妙というか…小学生から弁当貰って嬉しそうに食うなよ！と。ていうかユウスケ、「もらっていいの？ありがとう！」は無いだろう…士も言っていましたが子供の弁当を横取りするなよと。その後の士のサラリーマンとしての営業のシーンも含めての、この「海東大樹の世界」の異常さを演出する伏線だったのでしょうが、怪しい善意というより、変な行動にしか見えません。演出過剰のような…？
あと気になったのは、鳴滝の暗躍がこれまでより小さかったこと。これまではその世界のライダーにディケイドより先回りして「ディケイドは世界の破壊者だ」と告げていたのが、今回はランスやラルクがディケイドのことを知らない＝鳴滝はディケイドのことを告げていない、ということでこれまでと行動が変化していました。ただこれは何を意味するんでしょうかね？ディケイドが新しい力を得るのを妨害するためにこれまでの世界ではその世界の仮面ライダーにディケイドのことを悪として告げて力を貸さないように先導していたからなのか、それとも別の意図があったのでしょうか？
志村純一はこの世界では海東純一となっていて、元・レジスタンスの仮面ライダーグレイブで現在は洗脳されてフォーティーン側の手先となっているという設定。貼り付けたような笑顔が不気味でした。洗脳の影響ということとしておきたいですが、過去のレジスタンスとして活動していたシーンでは真剣な表情で荒っぽい演技をしようとしていたのもなんか違和感があったので、もはやあの不思議な不気味さはもう私の心理に張り付いているのではないかと。劇場版での正体のこともあって、どうしても裏があるようにしか見えないんですよね…。フォーティーンとか呼ばれているのは実は影武者っぽいヤツで、すべての黒幕はやっぱり海東純一で正体はアルビノジョーカーなんです、とか言われそうで…。
ユウスケは今回何か薬物を頭に打ち込まれていましたが、アレが伏線になってアルティメットクウガに進化したりするんでしょうか。これまで空気過ぎる活躍しか見せなかった彼の更なる活躍に期待ですね。
バトルシーン。多量のローチを相手にディケイド、ディエンド、ランス、ラルクの４人で乱戦する場面。それぞれ見せ場があってよかったです。ランス、ラルクのマイティのカードによる必殺技とか懐かしい…！そしてディエンドも、ガタック相手に使ってクロックアップで瞬殺されたり、時間稼ぎに使うだけだったりと、これまで使っては良い所無しで終わっていた「ライオトルーパー」のカードがトドメに使われいたので、事ある毎に使っていたディエンドの粘り勝ち、みたいな印象でした。逆にディケイドのバトルはコンプリートフォームになってからのキバ・投影カメンライドでエンペラーキバと並んでライドブッカー・スラッシュモード＆ザンバットソードでの水平エネルギー波斬り、みたいな感じになっていましたが、それは龍騎サバイブの投影カメンライドで放っていた十字エネルギー派斬りとどう違うのかと問いたかったです。同じじゃないか…！？というより龍騎サバイブの十字斬りの方がエネルギー派が２つの分、強いんじゃ…！？もうちょっと工夫が欲しいですね…。
そんな感じだった２２話。良いと感じるところもあり、悪いと感じるところもありでした。次回のディエンドの世界・後編でどんな結末を見せてくれるのかでまた今回の評価も変動しそうですが…次回に期待します。