ソードアート・オンライン1

ソードアート・オンライン1アインクラッド (電撃文庫)

ソードアート・オンライン1アインクラッド (電撃文庫)

ソードアート・オンライン1 アインクラッド

著者・川原礫先生。挿絵・abec先生。川原先生は第15回電撃文庫小説大賞で『大賞』を受賞した「アクセル・ワールド」の著者先生です。
・登場人物
主人公はベータテスト時代からソードアート・オンライン(以下SAO)に関わっていて、過去に経験したある事件からギルドに所属することを嫌がり誰ともパーティも組まない片手剣士のソロプレイヤー、キリト。ヒロインは料理上手で美人で高レベルプレイヤーという、SAOの世界ではアイドル的存在と化している細剣使いで、ギルド『血盟騎士団』の副団長、さらに二つ名として『閃光』とまで呼ばれるアスナ
サブキャラクターはカタナ使いで、初期にキリトに戦い方などを教えてもらった縁で仲間付き合いをしているクライン。豪快な商人で戦闘能力も斧戦士として相応以上の実力を持つ、キリトたちの手に入れてきたアイテムを仕入れて売り捌くエギルアスナが所属するギルド『血盟騎士団』の団長で最強の騎士と呼ばれ、いつも冷静沈着、十字盾を使いこなし鉄壁の防御力を誇る聖騎士・ヒースクリフ。ギルド『血盟騎士団』の団員で、アスナの護衛としてアスナに付きまとう両手剣使いのクラディール。
・シナリオ
クリアするまで脱出不可能、ゲームオーバーは本当の“死”を意味する—。謎の次世代MMOソードアート・オンライン(SAO)』の“真実”を知らずにログインした約一万人のユーザーと共に、その苛酷なデスバトルは幕を開けた。SAOに参加した一人である主人公・キリトは、いち早くこのMMOの“真実”を受け入れる。そして、ゲームの舞台となる巨大浮遊城『アインクラッド』で、パーティーを組まないソロプレイヤーとして頭角をあらわしていった。クリア条件である最上階層到達を目指し、熾烈な冒険を単独で続けるキリトだったが、レイピアの名手・女流剣士アスナの強引な誘いによって彼女とコンビを組むことに。その出会いは、キリトに運命とも呼べる契機をもたらし—。個人サイト上で閲覧数650万PVオーバーを記録した伝説の小説が登場。(7&YHPより抜粋。)
・感想
所謂Web小説という形で発表されていた作品の、書籍化作品、というやつです。
物語は新作大規模MMOとして発表され売り出されたヴァーチャル・リアリティゲームにログインした初期の参加者1万人が遊び始めた矢先に突如、作成者による仕業によってログアウト不能にされ、さらに『強制ログアウトをしようとする』『ゲーム内で死亡する』などすると脳にダメージを与えられて現実にも脳死にされる―――ゲームのハードに殺される、という状況にされ、強制的にゲームのクリアーを強要されるという絶望的状況に陥る。その1万人の中にいた1人の主人公、キリトはそれから2年、誰ともパーティを組まないソロ・プレイヤーとして脱出不能のデスゲームと化したVRMMO―――『ソードアート・オンライン』で今も生きている―――というところで始まります。
所謂MMORPGを扱った作品―――ウルティマオンラインとか、リネージュとか、ラグナロクオンラインとか、そういったものの小説版的な内容ですが、燃えも萌えもあるし著作の「アクセル・ワールド」同様にVRを題材にしているのでアクション性もスピード感もあるしで、かなり引き込まれました。キリトとアスナがラブラブする部分があったりで、痒い所にも手が届く仕様の模様。
アクションあり、ラブあり、最後にどんでん返しもありで、ライトノベルとしての完成度はだいぶ高いです。2chでの情報などからするとWeb版と比べればだいぶ手直しされているそうですから、Web版既読の人も楽しめる仕様にもなっているようです。
アンチ的意見としては『主人公がかなり強い』というものが嫌だ、という意見があるようですね。しかしこの設定があり、これが受け入れられるかどうかで作品全体の感想も変わってくるようですが、個人的にはその主人公が強いということにも理由があり、それに見合うだけのマイナスポイント―――精神的な傷と言うか、不安定さを抱えてキリトが手にした強さ、という感じになっていたのであまり忌避感はありませんでした。むしろその心の弱さがアスナとの絆を紡ぐ事にプラスに作用して話の展開が無理なくさらりと流れていましたので、『主人公が強い』はこの作品を組み上げる上での重要なファクターとして外せないものだ、と思いましたね。
元がWeb小説だったそうで、このソードアート・オンラインも1〜3は完結で発表されていたようです。つまり既に3巻までストックがあるようですし、「アクセル・ワールド」の新刊と交互で出すみたいで、今年は隔月くらいで川原先生の作品が楽しめるようで今からホクホク気分です。
SAOは、現在は川原先生が発表していたサイトでは書籍として発表するということでWeb版は読めないように引き上げられているようですが、有志の人たちが書いて投稿した「SAO二次創作」は読めますので、そちらでも楽しめます。
それに色々調べてみると、現在引き上げられているSAO2、3はモンスターテイマーの少女が出るみたいだったり、鍛冶屋の美少女が出るみたいだったりと、少ない情報から次の作品の推測をする楽しみがあったりしてWeb小説の書籍作品化も結構良いですねー。
そんな川原先生ことWeb上での名前『九里史生(クノリ フミオ)』先生のサイトはこちら→WordGear