ナイト・テイル2

ナイト・テイル2―Replay:真・女神転生TRPG魔都東京200X (integral)

ナイト・テイル2―Replay:真・女神転生TRPG魔都東京200X (integral)

ナイト・テイル2 Replay:真・女神転生TRPG 魔都東京200X

監修・朱鷺田祐介先生。著・西上 柾先生。挿絵・逢魔刻壱先生によるTRPGシステム、『真・女神転生TRPG魔都東京200X』のリプレイ本です。新バージョンになった『真・女神転生TRPGVer2.0』を使用した新リプレイシリーズで第2巻目になりますね。
・登場人物
民俗学者アウトサイダー』の変身ヒロインで、前衛で前或いは後一列に攻撃できる「ヒートウェイブ」で戦う運一点振りのパラメータをしている女神アリアンロッドの転生体、父と共に考古学の為に世界中を飛び回っていたこともある神野古代。
『超能力者/サマナー』で、呼び出した悪魔に支援させたり魔法を飛ばしたりする後衛系、佐伯探偵事務所の助手という立場で古代たちに手を貸す、ザン系に特化した魔術使い、真上結城。
『ドクター/コマンダー』の魔法や超能力的な特殊能力は一切無しの、前衛でも後衛でも銃で撃って確実に攻撃をするオールラウンダー、警視庁第0課、課長・宮下将吾。
『龍/ダナーンの騎士』で、前衛でガンガン戦う戦闘系キャラクター、見た目17歳金髪美少女高校生の150歳雌竜、古代たちが集まるビルのオーナーでもあるユーリア・フェテアスカ。
『サーヴァント/符術師』、後衛から作成した道具を飛ばして攻撃したりパーティを守ったりする、ユーリアがオーナーを務めるビルの1階で営まれている喫茶店でウェイトレスをしている、サポート系のスキルが潤沢な翻香鈴。
サブキャラクターに古代の父、神野祐二教授。悪魔が関わる異常事件に関わり、真上に助けを求めに来る石嶺伽耶。その妹の摩耶。宮下の友人で澤田。宮下の部下で真上の姉の真上水紀など。
敵はソロモン72柱の悪魔の一柱エリゴールや、怪人・赤マントなどが登場します。
・シナリオ
カナダで託された、謎のメモリとダイアの原石。またもやトラブルに巻き込まれた神野教授を助けるべく、あのメンバーが再集結。敵の計画を砕くべく乗り込んだのはカナダ!そして事件を通して知り合った少女と結城はなんだか微妙にいい感じ?そんな事件を解決してつかの間、今度は麻薬を巡ってのトラブルに巻き込まれてしまう。果たして敵の目論見は!?『真・女神転生TRPG魔都東京200X』の新リプレイ『ナイト・テイル』シリーズ、第2弾!!巻末にシネマティック・アクション・ルールも掲載。(7&YHPより抜粋。)
・感想
この巻に収録されているのは第3夜「不和の絆」と第4夜「香鈴さんの憂鬱」の2話。加えて『シネマティック・アクション・ルール』という特別ルールに関しての付録がついています。
第3夜「不和の絆」。準レギュラーになれるか?とPC側から期待をよせられるサブキャラクターの石嶺伽耶が登場し、彼女から真上が依頼を寄せられて同時に同じ事件に別口で関わっていた古代などが関わり、PC全員が事件に関わっていくという話になります。古代がカナダにいた日本人から託されたメモリとダイヤの原石。それと同じようなものを日本の石嶺伽耶も所持しており、その繋がりがPC全員を事件に関わらせて、コミュの能力まで使い場所をカナダまで移して敵の尖兵であるエリゴールを相手に物語の真相に迫っていきます。この話のBOSS、エリゴールはサプリメントラグナロク』で追加された新BOSSパターン『展開スキル型BOSS』でピンチになった時に急に回復したりしてPCたちに挑んできます。
第4話「香鈴さんの憂鬱」。これは前回の話で知り合った石嶺伽耶の妹、摩耶に関しての話になりますね。香鈴の所属する大陸系の組織の下っ端が一人、暴走を始めある力を持つ石嶺伽耶の妹、摩耶を確保しようと暗躍を始めます。それを保護しようとしたPC側の不手際からPCたちが摩耶を追いかける話となり、下っ端が使役する摩耶を追う悪魔も出現して学園でのチェイス・シーン―――摩耶を探すPCと敵悪魔が遭遇戦をしながらの追跡戦となります。TRPGの醍醐味―――会話によるシナリオの変化、状況の悪化や状況打破など、システム的なものに頼らないGMとPCたちとのファジーな物語展開が見られましたね。
また、どちらのシナリオにも登場して場を盛り上げたものとして『シネマティック・アクション・ルール』があります。巻末に付録で詳しく書かれているこれは、要は『中国映画などにある机や椅子、その場にある棒』などを武器にして暴れまわるためのシステムです。豪快で派手な演出ができてうまく決まると楽しいことになる―――そんなシステムですね。
総じて今回の作品は、新ルールを試しながら大暴れしよう!という印象でした。新ルールのテストプレイ的な側面がありバトルに関してはそんなシネマティック・アクション・ルールが適用されている部分でこれまでの『真・女神転生TRPG 魔都東京200X』としての戦闘とは一風違った面白みが見られる一方で、これまで通りのバトルもありと、二重の意味でバトル・シーンで楽しめる作品でしたね。