ふりふろ♪3

ふりふろ♪3 (GA文庫)

ふりふろ♪3 (GA文庫)

ふりふろ♪3

著者・土田奥郎先生、原作・高崎とおる先生で、挿絵がすーぱーぞんび先生です。高崎先生は著作にファミ通文庫からの『オオカミは懐かない!?』というものがあるそうで有限会社エルスウェア所属のゲームシナリオライターだそうですね。
・登場人物
主人公で魔法使いの伯爵公子だが世界を支える宝珠<コーナーストーン>を砕いてしまい、蛙神ディングルと半融合し興奮状態になるとディングルに変身する、という状態で超スケベ蛙のディングルと一緒に砕けた宝珠を捜す旅に出ることになったエリオット。エリオット共に宝珠を砕いた場にいたエリオットの従者の拳銃使いティアナ。旅に出てから知り合った商人の娘で、旅の間の情報収集や糧秣集めを一手に担うカーロッタ。エリオットたちが立ち寄った国(前巻)で知り合った貴族の騎士で親衛隊長で、エリオットたちの宝珠の欠片集めを手伝う為に同行する事になったシグルド。体力とか腕力とかは規格外だが頭の中身の方まで規格外すぎるシグルド配下となった親衛隊員の強力三兄弟。そして前巻で登場し仲間に加わったナイスバディ系のお姉さんな魔術師で、その正体は蛇神の末裔のスージー
この巻では敵として、宝珠の欠片を持つドクター・トーマス・ギブスン。そしてその配下の触手、人造人間P、ノコギル仮面といった変人達が出てきます。
またサブキャラクター&ゲストキャラクターは、第1巻で登場し人気の高さから再登場したらしいフランシスカ女王陛下将軍閣下曹長(ややこしいですが正しく表記するとこうなる?)。新キャラの、人の姿をしているが本質は蛙でディングルを崇拝しているホイップ、が登場します。
・シナリオ
「ねぇエリオット知ってるー?おっぱいって水に浮くのよ!いま初めて知ったわ!」強力三兄弟のおかげ(?)で温泉宿に泊まることになったエリオット一行。聞けば最近このあたりでどんどん温泉が湧き出ているという。宝珠の欠片の影響かも、と温泉が湧く原因を探ることにしたエリオットたちは、蛙界の姫ホイップやスコップ姫ことフランシスカと合流して温泉の謎に迫っていく。そんな折、ティアナが「女体に絡み付くことが存在意義」と公言してはばからない、ぬらぬらした触手に捕まってしまい―!?高崎とおると土田奥郎が贈る、大爆笑のけろけろファンタジー第三弾。(7&YHPより抜粋。)
・感想
第3巻にして、第1〜2巻で繰り広げていた『宝珠の欠片探索の旅』というものの基本に返ったように見えてまた暴走気味な話、になっていました。
この巻では温泉街で温泉に入る事になったエリオットたちが、その温泉を襲撃してきたホイップたちの気持ちを静めて事情を聞き、そこかしこで温泉が沸き始めて蛙達が住めなくなっているという事情を知り、その原因を究明する為に温泉の発生源―――今巻の敵役、ドクター・トーマスの住む塔へと向かい、そこでフランシスカ女王陛下将軍閣下曹長と再会して対ドクター戦を共闘して進めていく、というものです。こうして書くとなにやらシリアス気味で真面目な話に見えます…が、この作品は基本的に本質は微エロギャグ小説。この巻でも女の子たちが脱いだりエリオットが脱ぐ事になったりします。挿絵なども基本そういった類のもので、ちょっとしたスパイス程度に普通の絵が入っているような印象ですね。
新登場キャラのホイップはあまりアクセントの強いキャラではありませんでしたね。無知でディングルを崇拝していて、ディングル会いたさにエリオットとも接するといった感じのキャラクターですが、登場人物が多いこの作品、他の人物たちに隠れてそのアクは発揮されないまま終わった気がしますね。どちらかといえば、ホイップよりも人気高から再登場したフランシスカに焦点が行くことが多く、フランシスカの影に隠れてしまった感じです。一応、最終的にはエリオットたちのパーティに同行して見聞を広める旅に出るとかになっていますが、フランシスカも同行すると言っていますので、これでエリオットの旅はティアナ、カーロッタ、シグルド、スージー、強力三兄弟、フランシスカ、ホイップと本人含めて10人パーティ。今後の活躍はあまり期待できなさそうというか、登場人物が多すぎて各キャラとも見せ場も無く終わってしまいがちになってきていますね。
ティアナやカーロッタなどの初期メンバーはエリオットとの関係の強さからまだ出番はありますし、完全ギャグ担当の強力三兄弟などもある意味貴重な男キャラで出番はあり、前巻から仲間になったスージーも、その特殊性(魔法使い&蛇神の末裔)からまだ見せ場がありますが、スージー同様の中途参加ながらもあまり目立った所の無い…簡潔に言えばただの人間でしかない上に、今巻では新登場のホイップに食われてさらに出番が無かったシグルドなどは、完全にお色気を振りまくだけのキャラに成り下がっていましたね…この登場人物のインフレ状態、どう収拾をつけるのでしょうか…と思っていたらすべて内包して幕。ある意味意表を突かれました。
最終的にはこの巻で温泉の話は終了しますが、かなり先の巻が出るのか出ないのかわかり辛い終わり方をしています。簡潔に言えば『ジャ○プ十週打ち切り型』の終わり方というか。「まだ僕たちの旅は続いていくんだ!」で終わりというなんとも打ち切られた感の強い終わりでした。しかしある意味でも納得で、これ以上登場人物が増えたらもういろいろな意味で収拾がつかなくなりそうですから、その前に幕を下ろしたのかな、と思います。まぁこれで続きが出れば、それはそれで凄いような気もしますが…どうやってこの登場人物の多さに終止符を討つのか、期待といえば期待でしょうか。