退魔生徒会屋久島奇譚

退魔生徒会屋久島奇譚―Replay:真・女神転生TRPG魔都東京200X (integral)

退魔生徒会屋久島奇譚―Replay:真・女神転生TRPG魔都東京200X (integral)

退魔生徒会屋久島奇譚 Replay:真・女神転生TRPG 魔都東京200X

著者・朱鷺田祐介先生。挿絵・黒百合姫先生によるTRPGシステム、『真・女神転生TRPG魔都東京200X』のリプレイ本です。前作である『聖華学園退魔生徒会』の続編物になります。とはいえ続編と言っても話の繋がりはあっても、それで1つのシナリオをプレイングしてるという訳ではないので、ここから読んでも大体大丈夫、という事で。
・登場人物
豊野香苺、チャーリー・ウェリントン、溝呂木麟、笹塚千代、という4人のPCで組まれたパーティが、所属する学園の生徒会から怪しい物事担当の「退魔生徒会」として依頼を受け、それらを解決する1話完結形式が基本のプレイングです。
・シナリオ
名門私立高校・聖華学園に存在する秘密チーム「退魔生徒会」。なぜか学園内に頻発する怪異事件の解決のために、組織されたものの…メンバーの4人は緊張感もなく、ゆるゆる。夏休み目前!期末テスト週間に入った聖華学園。しかし溝呂木鱗の元に、新たなる刺客が送り込まれる。何とかやり過ごしたのもつかの間、研修旅行で訪れた屋久島で大変な事件が…。大人気コンシュマーRPG『真・女神転生』『真・女神転生2』の世界観をベースにしたTRPG『真・女神転生TRPG魔都東京200X』の新リプレイ・シリーズ第3弾。
・感想
この巻は退魔生徒会シリーズの第6話となる「期末試験異常あり」と、第7話となる「屋久島山姫伝承」の2話で構成されています。
第6話である「期末試験異常あり」では学校物の醍醐味の『試験』を取り上げた内容で、プレイヤーたちは判定時に使う学力を向上させるため、和気藹々時に喧々轟々としながらそれぞれの日常をプレイングしていました。こういった日常シーンのプレイングは知っている限りと予め言わせて頂きますが、TRPGでは女神転生シリーズの作品が一番、雰囲気が出し易い用に感じますね。『知力』という総合的なステータスではなく、そのものズバリの『学力』などのステータスが有ることからもそう感じます。無論、話はそれだけではなく、前巻で登場した未来からの刺客・アニーの同系機がこの話での敵として登場します。
第7話「屋久島山姫伝承」では、ゲームの『ペルソナ3』でスポットを浴びた屋久島そのものが舞台です。屋久島にいるという山姫に稽古をつけてもらいに行こうとする苺や、謎の暗躍をするガイア教団など色々とイベントが起きます。BOSS戦のイベントでは高レベルの剣士同士の対決や、セクシーダンス、ブフ系魔法、マヒかみつき攻撃など、状態異常を引き起こす攻撃が飛び交いプレイヤーもGMもダイス目一つに賭けて互いに必死でしたね。ダメージも様々な特殊効果などが乗り始めて、弱点属性を上手くついてダメージ倍、などは基本ですがそれをキッチリ守っていてどの面子も高ダメージを叩き出したりしています。
総じてこの巻もまた、これまで同様に激戦をしていたり阿鼻叫喚の試験を受けていたりと色々とあったりして大変な筈なのですが、どこかゆる〜い、まったりとした雰囲気を感じさせられます。そんな独特の文体にもまた味がありますね。やはり女神転生シリーズが好きな人なら、買って損は無いのではないかと。ただし、あっさりし過ぎている部分があるのは前巻に引き続き、ですのでその辺りの軽さというか、短絡さを受け入れる心の準備は常に必要ですかね。