乙女はお姉さまに恋してる

乙女はお姉さまに恋してる 櫻の園のエトワール

著者・嵩夜あや先生。挿絵・のり太先生。アニメ化もされた人気ゲームの「その後」を書いたノベライズ作品ですね。両先生はゲームのシナリオや原画を担当されていたので、原作ゲームのイメージのままの小説が楽しめます。
・登場人物
基本的な主人公は誰とは決まっていません。ですが成長して今現在学院で上級生として登場するのが周防院奏や上岡由佳里。そんな彼女達の下に新入生として入学してくるのが七々原薫子。皆瀬初音。ケイリ・グランセリウスといった、新規キャラクターです。ゲストキャラとしてゲーム版のメインキャストだった宮小路瑞穂。厳島貴子。十条紫苑なども登場します。
また他の登場キャラクターには「乙女はお姉さまに恋してる」でも登場した菅原君枝などの他、こちらでも新規キャラクターの魚住響姫などが登場です。
・シナリオ
可憐な乙女たちが紡ぐ、超人気ストーリー究極の特別編!
第百九期メンバーを送り出してひと月、聖應女学院にまた新しい春が訪れる。厳かなはずの入寮式早々、遅刻して駆け込んできた七々原薫子、優しく微笑む周防院奏、元気な寮監・上岡由佳里、物静かな一年生・皆瀬初音……。卒業したメンバーに負けない可憐な蕾たちの物語、いま美しくほころび始めます――。絶大な人気を誇る『乙女はお姉さまに恋してる』PC版公式シナリオライターイラストレーターによって紡がれる究極のオリジナルストーリー!(7&YHPより抜粋。)
・感想
この作品はゲームである「乙女はお姉さまに恋してる」の後日談です。それも、ゲームのメインキャストである宮小路瑞穂たちが卒業し、その妹であった周防院奏たちが上級生となって新入生が入学してからの話です。
奏が妹を―――七々原薫子と出会い、彼女と交流を深めて本当に姉妹になっていく様子を書かれているのと、由佳里が妹である初音と陸上部などを通じてやはり理解しあっていく様子、そして最後は次期エルダー・シスターとして奏が推薦され、同時に推薦を受けた魚住響姫との選挙の様子などを書かれるなど、奏たちが上級生となってからの苦労や出来事などを書いています。しかしそのどれもが優雅で、時に激情的ながらも清々しく、ゲームの世界観である「女学院」が舞台であることを常に意識させてくれますね。
基本的に奏たちと新規メンバーがメインキャストですので、原作の主人公たち―――瑞穂や貴子などはゲスト扱いです。しかしその登場シーンはそれなりに多く、また新規メンバーの手伝いをする為に登場する、という講師役として登場してもいるので、その重要さはゲストながらかなり重要な位置で、原作キャラクターファンの方も十分楽しめると思いますね。
優美にして華麗な櫻の園で暮らす乙女たち。その一端を垣間見た原作ゲーム「乙女はお姉さまに恋してる」の、さらにその続きがどうなったのか気になる人なら、買って損は無いと思いますね。