骸骨ナイフでジャンプ4

骸骨ナイフでジャンプ4 ナイフのヒミツとブラックモジャーの宝

電撃文庫小説大賞でかつて『銀賞』を受賞した「僕の血を吸わないで」の作者で、ギャグ小説家として名を確立されている阿智太郎先生による作品です。他作品としては「住めば都のコスモス荘」「僕にお月様を見せないで」シリーズなどがあります。挿絵は電撃小説大賞銀賞受賞のコンビ、宮須弥先生です。現在は主に4コマ漫画をゲーム雑誌などで連載されているそうですね
・登場人物
主人公の中学二年生で現代から謎のナイフ『骸骨ナイフ』の力で異世界に飛ばされてやってきた天現寺大地と、そのクラスメートで一緒に遊園地に遊びにきていた超美少女の早川里織奈。そんな2人を最初に見つけて助けた漂流者だったバスコダ。超大金持ちネガアール商会の娘で大地に惚れこんでついてきてしまったコーニャ。ある島に住んでいてやはり大地に惚れこんで付いてきたラピ。メインはこんな所で、毎巻色んな海賊が登場して、色々な理由で大地たちを狙ったり戦ったりしてますね。
・シナリオ
こんにちは。早瀬里織奈です。大地くんとふたり、この世界にやってきてもうすぐ一年。早くブラックモジャーの宝を見つけないと、大地くんは干からびて、わたしたちは元の世界に戻れなくなってしまいます。だけど最近、大地くんの行動がおかしいんです。ひとりでどこかに行ってしまい、何をしているのか分からないんです。そしてある晩、気になって大地くんの小屋を訪ねたら、そこに大地くんの姿はなく…。物語はいよいよクライマックスへ。里織奈と大地の運命は?そしてふたりに恋は芽生えるのか?笑える海洋ラブコメついに完結。(7&YHPより抜粋。)
・感想
この巻でこの『骸骨ナイフでジャンプ』シリーズは最終巻です。
謎のナイフの力で不死身となった代わりに一年以内に大海賊ブラックモジャーの宝を見つけなければ干からびて死んでしまうのに、ほわほわとしてのんびり屋な大地。そんな大地が大好きで、一緒に異世界まできてしまった里織奈。2人の冒険の最後の結末が書かれています。
結論から言って、少年向けの冒険小説の様な最後の展開と、意外にあっさりした結末に少々拍子抜けの一面もありました。が、とても纏まって綺麗に終わっているとも感じました。
毎巻新キャラなどが出てきたり、トンデモな御都合主義展開で大変な目に合うけどそれが面白い、毎回色んな切り抜け方をするのも楽しめていたこのシリーズですが、最後までそれは変わりませんでした。
今巻での新キャラ・ジャニスとラスボスとも言える敵。どちらにも大変な目に合わされていた大地でしたが、最後まで変わらないノリのまま突き進み、最後は大団円。これだけ自分のスタイルを貫けるのは凄いですね。
しかし「狙っていたのか?」と思うくらいに最後の展開には苦笑物でした。骸骨ナイフでジャンプなだけに、ジャンプ十週打ち切りみたいに終わらせるとは…(苦笑
そんな両方の意味で、印象的に終わった作品でしたねー。