ソーサルカンパニー・リプレイ

ソーサルカンパニー・リプレイ 魔法の会社で大もうけ!

安田均先生:監修、諸星崇先生&グループSNE:著のTRPG・ガープスシステムを使った魔法使いが集うグループ『血社』の成長物語、と言った様相ですね。
・登場人物
『血社』社長の魔法の道具『方具』大好き少年・マイヤー、お目付け役の秘書の雑務担当・ヒューズ、マイヤーの後輩でパーティーの魔法攻撃係・ラング、傭兵でマイヤーたちに雇われる形で血社入りするシモン、シモンの相方で特定魔法の効果が倍になるという特徴をもつ『シエロ』という種族の女傭兵ソリア。PTはこんな感じで、他にNPCとしてマイヤーのライバルを自称するお金持ちお嬢様のメイベル、マイヤーたちのような血社を束ねる『神機局』のお偉いさん、上司にあたるフィリ=レイスなどがいます。
敵としては異形の存在で人に仇を為す『シシャ』のシュミット、魔獣のハウレス、アガレスといった魔物的な相手が多かったですね。
・シナリオ
魔法の都イースリーに新たな血社が誕生した!その名は“英知の箱”。方具使いを目指すマイヤー社長の下、若き力が集まって、大血社への道を歩みだす。最初に請けた案件は、近所の魔道具屋からの依頼だった。「届くはずの魔法の石が届かないので、調べてきて」お使い程度の事件と思ったら、それは世界の危機へと繋がる大事件の発端だった。魔法があふれる世界での、魔法の会社の物語。きっと明日は大もうけ。(裏表紙より抜粋。)
・感想
TRPGシステム・ガープスを使っているだけに行動がかなり細かく判定されたりできるようになっていますね。その分細やか過ぎて、ちょっととっつきにくい感じにはなっているかもしれません。ですが、『ガープス・魔法大全』を扱う事を目的としている魔法中心のリプレイだけに魔法の使用頻度は多いです。PTほぼ全員が魔法に何かしら関係あるか、魔法使いそのものか、ですので。
『シエロ』という種族は思い切った冒険だと思いましたね。特定魔法の効果が二倍…体力+5が体力+10になる、などは一歩間違えたらとんでもキャラを作り出すでしょう。現にこのリプレイのシエロであるソリアは、PT唯一の肉弾戦闘担当のアタッカーですが出すダメージが『28の切り』だの『23の刺し』だので、魔獣相手とは言え最終的に与える平均ダメージは30近いですから。その点で豪快さを出していますが、この巻では何事も無かったとは言え、今後に続けば一歩間違えれば一瞬で味方を殲滅しかねない力なだけに本当、冒険だな、と感じます。
そんな訳で、魔法使いを中心としたPTでしたが、戦闘ではソリアがメインアタッカーを務め、他が後方から援護と言う基本的な戦闘スタイルが出来ていたので、あまり魔法に特化したリプレイと言う感じはしませんでした。頭脳戦が足りなかった感じ…でしょうか?頭を使ったリプレイとして比べたら、『新ソードワールド・リプレイ。ぺらぺらーず』の方がよほど知的だった感じですね。まぁまだ始まったばかりというものもありますし、しばらくは様子見しながら今後の頭の使い方に期待、というところでしょうかー。