退魔生徒会織姫異聞

退魔生徒会織姫異聞―Replay:真・女神転生TRPG魔都東京200X (ジャイブTRPGシリーズ)

退魔生徒会織姫異聞―Replay:真・女神転生TRPG魔都東京200X (ジャイブTRPGシリーズ)

退魔生徒会織姫異聞 Replay:真・女神転生TRPG 魔都東京200X

著者・朱鷺田祐介先生。挿絵・黒百合姫先生によるTRPGシステム、『真・女神転生TRPG魔都東京200X』のリプレイ本です。前作である『聖華学園退魔生徒会』の続編物になります。とはいえ続編と言っても話の繋がりはあっても、それで1つのシナリオをプレイングしてるという訳ではないので、ここから読んでも大体大丈夫、という事で。
豊野香苺、チャーリー・ウェリントン、溝呂木麟、笹塚千代、という4人のPCで組まれたパーティが、所属する学園の生徒会から怪しい物事担当の「退魔生徒会」として依頼を受け、それらを解決する1話完結形式が基本のプレイングです。
内容は、結構まったりとストーリーは進みますがバトルは派手で。
咲き続ける桜に出没する行方不明者。それに対して退魔生徒会が出撃し、その先にいる原因たる悪魔「マンドラゴラ」などを相手に戦う通算で第4話になる話「狂い咲き桜迷宮」、そして5話目であり表題作でもある、溝呂木燐を狙って現れる謎の存在「ロボっ娘」と会話判定で敵にならないように味方に引き込もうとしつつ、続いて現れる『電霊』なる悪魔を相手に戦う事になる「退魔生徒会織姫異聞」。
計2話のみですが、戦闘は派手にクリティカルしてたり即死魔法を相手にしたりする事になったり、弱点をつく攻撃をしたりで、かなり爽快感がありますね。この辺りは真・女神転生のTRPGの売りでしょうか。他のTRPGだと20点のダメージとか5〜60点出すとスゴイ!という印象が強いのですが(ソード・ワールドなどですね)、この真・女神転生だと「クリティカルで合計500点!」とか「弱点ついたから防護点無視で360!」とかになりますので、その辺りはかなり爽快です。
まったりプレイ&おきらくプレイということで、ロールプレイングよりも話の面白さに主眼が行ってるのも、この作品が他のTRPGリプレイものと一線を引いて面白いところでしょうか。
プレイヤー発言とキャラクター発言の垣根が低いというか。かなりプレイ中にメタな発言をしてたりするのですが、それがまるまる面白くなる要素になっているというか。
ですがその分、プレイングのシーン一つ一つが若干あっさりしすぎているのがややネックでしょうか。
「〜をするために交渉が必要だ」みたいなところで、あっさりダイスロールによる判定で成否だけ書かれていたりすることもあるので、そのあたりあっさりしすぎていて拍子抜けに見えるところも。
総評して、「ゆるゆるとTRPGプレイングの雰囲気が楽しめる作品」かと。
若干値段が高い&前述のようにあっさりとした表現でシーンが終わったりしているので、白紙部分が多いページなどもあるので少し不満もありますが、女神転生シリーズの雰囲気が手軽の楽しめるのとで相殺だと思いますね。
個人的にはやや時事ネタっぽいですが、ペルソナ3のネタなどが入っていてプレイした身としてにやりとできたのが面白い所でした。