涼宮ハルヒの分裂

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの分裂

大人気シリーズな涼宮ハルヒの憂鬱シリーズの第9段。
今巻は前後編の前巻で、最後は続く、で終わっている巻です。
舞台は春。新一年生が入学し、ハルヒたちがそれぞれ2年、3年と進級したところから始まります。
今巻では新キャラクター、キョンの中学の同級生の佐々木という人物が登場します。この人物、登場時にちょっとしたひっかけがあったりしながらも前回の二番煎じ的な登場方法を使っているところもあり、今回限りかと思っていたのですがどうやら少しばかり重要な位置付けの模様で。もしかしてレギュラー化ですかね?
かつて雪山の山荘でキョンたちを閉じ込めるという接触を持ってきた、長門有希を派遣した統合思念体から”天蓋領域”と名付けられた存在が送り込んできたアンチ長門有希的存在を感じさせる『周防 九曜』。
古泉樹たち『機関』と敵対していてかつて未来人と手を組んで朝比奈みくるを拉致しようとした、ハルヒではなく前述の佐々木を神として信奉する組織の尖兵役、アンチ古泉感のある『橘 京子』。
朝比奈みくる側の未来人と敵対し、以前の巻でも登場してキョンやみくるに敵対者として対面した敵性未来人、アンチ朝比奈である『藤原』。
今回はSOS団メンバーよりも、これまで登場してきた登場人物たちのアンチ的特徴を持つ面々が前述の佐々木を中心に結集し、SOS団のアンチ存在が登場した、という感じですね。
物語の構成自体も、これらアンチの4人がキョン接触を持つことを共通点に2つのストーリーが同時進行するというページが順当なゲームブック風という形式で。2つの同じ時間で別のストーリーがαー1、αー2、αー3、やβー1、βー2、βー3、といった感じで章扉に記載されながら同時進行していく形になっています。
今巻はキョンの名前に関する記述がまたチョコっとだけあったり、それぞれが進級していたり、なにより新キャラクターが目白押しと、重要度は高い巻になっていると思います。まだ終了していないので総評的なことは記述しませんが、αストーリーとβストーリー、それぞれどのようになっていくのか気になるところですね。
次巻、『涼宮ハルヒの驚愕』は、6月1日発売だそうですので、出来れば発売日に入手して早く先を読みたいところですー。