ストライクウィッチーズ弐之巻

ストライクウィッチーズ弐之巻。スオムスいらん子中隊恋をする

作者は「ゼロの使い魔」でもう言うまでも無い有名人でしょうヤマグチノボル先生。イラストは原案・表紙が島田フミカネ先生。本文、口絵イラストが上田梯子先生です。
いわゆる拍子は有名だけど中身はそれなりのイラストレーターさん、と言う奴ですね。
ストーリーは、前巻で敵・ネウロイの超巨大兵器『ディオミディア』を相手に、個人戦闘重視だった主人公で機械化航空歩兵・穴拭智子少尉が同僚たちと力を合わせてディオミディアを撃墜して、その第1巻の話が終わってから続いての始まりとなります。
今巻では、今度は敵・ネウロイに占領されたスラッセンの街を奪還する作戦行動が主な目的としてされています。
戦略的に攻めてくるようになったネウロイの陽動策にはまり、智子たちが所属するカウハバ空軍基地を空爆され同時にスラッセンも多脚式巨大戦車の猛攻を受け、両方とも放棄するしかなかったスオムス軍。
反撃の用意に緊張感高まるミッケリ臨時空軍基地で智子たち義勇独立飛行中隊もまた、新しく装備を受領し新型装備に変更して戦力増強がなされる。だが、智子だけは愛用し続けてきた飛行脚『キ27』に拘る。そんな折に新装備である新型飛行脚『キ44』を持って、飛行脚技師の糸河衛が来訪する。強引な衛にペースを乱される智子だったが、やがてそんな衛に心を開いていく智子は次第にキ44を使用することを決意する。そして始まるスラッセン奪還作戦。智子たち義勇独立飛行中隊は、奪還作戦を成功させられるか…!? といった感じで。
今巻では智子と智子の列機であるハルカ、そして糸河衛による三者三様の恋物語が書かれている、という感じでしたね。
反発しながらも衛に惹かれる智子と、智子を慕うが同性ゆえに報われないハルカ、そして伊達男として振舞う衛。最後には「ちょっと待てそれはありなのか!?」というようなオチが待っていたりしますが。(笑
またそれとは別として智子の飛行脚に対する拘りの昇華と、戦術的意向の変化も見落とせないところではないでしょうか。
個人戦闘能力の高さと愛着から多少の機能的見劣りを技量でカバーして使い続けてきた『キ27』型飛行脚から、今回ついに新型の『キ44』型飛行脚に乗り換える辺り、個人戦闘よりもチームワークと全体被害の減少に目を向けている智子に、1巻よりも成長している姿が見えます。
総評して、この巻はいかに智子が新型飛行脚を扱うと言う事を受け入れるかと言う事と、始めて経験する淡い恋心に智子がどう対応するか、というのが見所ですかね。
乙女の初恋と、愛着をもつ機体との別離。心情の変化と信条の変化の話。そう感じました。