偽りの千年王国

ジャイブ社から出されているTRPGシリーズの本の一種類で、今までに「白き刃の後継者」「天界の檻」という前2作品シリーズの続きとして出された作品です。
TRPGシステムは『真・女神転生TRPG 魔都東京200X』。いわゆるゲームの「メガテン」シリーズのTRPG化作品ですね。
この作品は結構坦々と進んでいく感じがあります。別社から出ているTRPGシリーズのリプレイ作品なんかと比べると、キャラクター同士の掛け合いだけを書いている感じがあると言うか、本当にプレイ状況を文章化した、という印象を受けます。
内容的にも特にギミックが盛り込まれているわけではなく、強いて言うならプレイヤーキャラクターたちの平均レベルから算出できる「戦法次第で比較的余裕に倒せる敵」では無く、「どうやってもかなり苦労する高レベルの敵」をGMがBOSSとして登場させたりして、戦略的に戦う必要がありプレイヤーたちが四苦八苦しているのが特徴と言えば特徴でしょうか。
総評して、富士見ドラゴンブックやファミ通文庫のリプレイ作品に比べても坦々とした抑揚でストーリーが進んでいく感じはありますが、それは文体の特徴ゆえであり、内容的にはスケールの大きな話です。
前2作から登場するキャラクターがいてずっと読んでいる人に対するお楽しみがあったり、世界を救う為に宇宙に上がる事になったりしますので、面白くないわけではありません。
ただ難点と言うなら、「女神転生」シリーズやTRPGシステム「真・女神転生」を知らないとわかり辛いところがあるところが難点ですかね。
会話判定や回復アイテムなど、名前は出てきますが効果説明は文中から察するしかないなどもありますので、それらの説明はありませんから。そこいら、初心者向けでは無い気がしますね。