でぃ・えっち・えい/そのなな!

でぃ・えっち・えい そのなな!

大天使ルシフェルが堕天した姿である悪魔神ルシファー、その人間としての生まれ変わった姿である『神代光』を、悪魔神として最誕させようと集まった七つの大罪をそれぞれ象徴する地獄の使徒<ヘル・アポストル>である<高慢>明星獅ぃ子、<憤怒>田名網久美、<大食>那賀花美巳、<邪淫>牧鴬羊子、<嫉妬>宇美野巳和、<怠惰>荒縁棕櫚、<強欲>鏡倉子少女たち7人の少女と、大天使に導かれた存在として、光を大天使ルシフェルとして覚醒させようとする…のを口実に、光と仲良くなりたい普通の中学生の少女『白鳥愛』の9人が繰り広げる、ドタバタラブコメディ劇を書いたシリーズの第7巻にして短編集がこの巻です。
この巻ではメインに関わるストーリーらしいストーリーは進みません。あくまで短編集で、その場その場での出来事がかかれているだけで。
内容は、「真夏のすと(り?)ーきんぐ」「すのお・ほわいと」「天国と地獄に一番近い島」の計3編。
「真夏のすと(り?)ーきんぐ」は、真夏場に地獄の使徒の1人、<高慢>を象徴する明星獅ぃ子が経営する会社でのリサーチ業務を手伝うという口実の元、リサーチ対象である多様なランジェリーを身につけた7人の少女たちが、光を誘惑して悪魔神として覚醒させようとするが、それを追いかけてきた愛が防ぐ、というもの。
「すのお・ほわいと」はある時、光や愛が通う学校で劇をすることになり、主役に抜擢された(まぁ地獄の使徒たちの策略でする事になった、が正しいのですが)光が、劇にかこつけて悪魔神覚醒を目論む地獄の使徒たちの誘惑を受け、それをやはり必死になって愛が止めるというもの。
最後の「天国と地獄に一番近い島」は、沖縄への学校単位での旅行で運悪く船から投げ出され、遭難してしまった光と地獄の使徒たち7人と愛の計9人が、辿り着いた無人島で反目しながら協力しつつ生還を目指すと言う話。
纏めるとこの巻は、短編集と言うだけあってメインストーリーはまったく進まず、愛と地獄の使徒の少女たち7人との、おそらく頻繁に起きていて本文でも書かれない、光を巡る騒動から3編が抜粋して書かれている、と言う感じですね。
話の展開も、大体が同じで『地獄の使徒たちが計画を立て実行する→光が巻き込まれ地獄の使徒たちからすれば良いところまで行く→大天使に導かれた愛がそこに乱入し、計画を乱す→堕ちかけた光を愛が浄化して助け、一件落着』この繰り返しですので目新しい驚きのような物は無かったですね。でも、それだけに何も考えずに眺めるようにして読むことができるので、気楽に読めました。